2012-01-01から1年間の記事一覧

フリオーソとボンネビルレコード

フリオーソとボンネビルレコードの、長かった現役生活が終わった。 この両頭には、南関東競馬ファンなら誰もが大いに語るところがあるだろう。だが、私自身はその筆力のなさから、うまい具合にそれを表現することができそうにない。一時代の終わりに立ち会う…

北より

いくら馬が寒さに強い動物といっても、積もりに積もった雪の中で競馬をやろうというのは難しい。だいたい、客にしろ乗り手にしろ、人間の方が寒くてたまったもんではないだろう。だから、ホッカイドウ競馬は11月半ばにはその開催を終了してしまう。競馬場と…

有馬記念が終わって

もう長いこと、有馬記念は地元の友人と現地観戦することが恒例となっていた。もっとも、別に誰が地元から引っ越したわけでもなし。今だってその気になりさえすれば、メール一本ですぐにお互い会えるような距離に全員がすっぽり収まっているはず。それでも人…

地方競馬の売上を振り返って

7月24日、以前より話は出ていた、中央競馬のPATによる地方競馬の相互発売が正式に発表された(http://www.sanspo.com/keiba/news/20120724/kei12072415000010-n1.html)。将来的な廃止について囁かれない競馬場は「存在しない」といっても過言ではない現在の危…

三冠馬とはなにか?

言うまでもないことだが、三冠馬とは最強馬のことではない。 歴代の三冠馬を見渡しても、セントライトは一線級の古馬とのハンデ戦で数個の黒星を献上しており、シンザンが調整代わりのOP戦で3度2着に敗れたことは広く知られている。シービーとブライアンなど…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(9)

(b)優秀騎手・厩務員の表彰 年度代表馬が発表された翌月、つまり3月号で発表された。競馬場で行われる表彰式でリーディングジョッキーに賞状を手渡すのは白井新平オーナーその人で、当時の白井新平が南関東で占めていた地位を端的に示しているといってもよい…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(8)

3.特集記事 定期連載記事のほかにも、毎号いくつかの特集記事が載せられていた。中にはやはり「定番」化したネタも多くある。また白井新平による記事を含めて、こちらの特集記事は時事性が高いものが多かったため『昼夜通信』への転載も比較的多く見られた。…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(7)

(l)サラブレッド・ファミリー:日本サラブレッド牝系大鑑 『アラブ系牝馬血統大鑑』からはや5年。1970年8月号より、田辺は「サラブレッド・ファミリー:日本サラブレッド牝系大鑑」と銘打った連載を1年半にわたって掲載する。本人曰く、「アラブ系牝馬血統大…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(6)

(j)ひづめの声 田辺一夫による連載。1964年11月号から掲載が始まった、時事的な事柄を考察していくなんの変哲もないコラム記事。だが、直後に後述の「アラブ系牝馬血統大鑑」の連載が始まると、さすがに2本は辛かったのかなし崩し的に終了した。(k)アラブ系…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(5)

(f)新参加馬の横顔(プロフィル) 新参加馬と言ってもこの場合は新馬ではなく、中央競馬を含めた他地区からの転厩馬のこと。当時の南関東競馬の賞金水準は中央競馬と伍する水準であっただけに、その中には中央オープンでの実績馬や、東海や園田、岩手など各地…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(4)

(d)全国だより:全国公営競馬主催者協議会、News or Not(ニューズ・オラ・ナット) このふたつはニュース系の連載であり、当然ながら最後まで毎号掲載された。「全国公営競馬主催者協議会とはいわゆる地全協の前身となった任意協議団体だが、地全協発足後もコ…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(3)

2, 定期連載記事 『競週地方競馬』の構成は、大きく分けて毎号掲載される定期連載記事と、時事性の強い内容を取り上げる特集記事で構成されている。とりわけ特集記事のうち、巻頭で取り上げられ大見出しが使われるものは「○大特集」として表記されていた。 …

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(2)

第1章 『競週地方競馬』の概要1. 啓衆社 南関東競馬と縁のない若いファンからすればなじみの薄い存在だろうが、南関でケイシュウニュースといえば古参筋に愛用者が多い、玄人向き新聞としての評価が定着している。中央のファンであっても、ときに『優駿』上…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(1)

地方競馬こそが本流である 日本は発展した。飛躍した。景気のよい池田内閣の収入倍増論がその異端を象徴しているように、日本の経済の発展は、世界の驚異ですらある。我が国の競馬もこれにともなって、大発展した。中央、地方を問わず日本の競馬界の全体がは…

2012年2月20〜24日浦和競馬まとめ

重賞開催日のラップ・時計一覧 最初は前が飛ばせるのかとも思ったのだが、結果的に見てみれば最後バテる力のいる馬場だった印象の方が強い。そのためか逃げ・先行馬よりは、捲り手の躍進が全体的に目立った。木曜に雨が降ってからもそれほど変化はなかったが…

弓立山特別

カネショウスタイルは文男が乗り始めてから競馬が一変した。前走の川幅日本一こうのす賞は時計こそ遅いが、それは中間14.0 - 13.7 - 13.4と緩んでからの瞬発力勝負となったから。実際レース上がりは12.8 - 13.2 - 13.0とかなりの高速で、それを一歩遅れた4番…

ユングフラウ賞

千六と千四では展開に随分と違いがあるのだけれど、一応レース体系上は桜花賞の最重要ステップ・レースとして位置づけられているこのユングフラウ賞。昨年はクラーベセクレタがこのレースを叩きに用い、久々に本番勝ち馬輩出かと思われたが大震災で桜花賞自…

浦和9RC2(六) 

C2のこのクラスらしく、本来は転厩からのクラス得をしていてもおかしくない馬が内に3頭揃って固まっている。だがいずれも南関での戦績は微妙、さらに今回は同型先行馬にリアルボイス・メイショウオウヒの強力船橋馬が控えており、大きな見直しは難しいだろう…

飛燕賞

昨秋の九州ジュニアチャンピオンでは、マッチレースの展開となったダイリンウィークとガルホーム。その後は佐賀での走りに限っていえば、どちらもB2級で1400戦を1度走ったっきり。そしてその時計は前者の1:29.4(上がり40.0)に対して、ガルホームは1:28.4(同3…

ぐだぐだとフランス競馬に驚く

新年早々あれやこれやと舞い降りてくる用事をこなしているうちに、大晦日の更新からずいぶんと間が開いてしまった。まあどの用事も「予定されていた」ことであったのだが、どうやら生来の怠け癖からは今年も離れられないらしい。どれも手をつけるのは、締め…