単発雑文

高知競馬場遠征記

じつはここからもけっこう歩く。 私が高知競馬場を訪れるのは、これが2回目のこととなる。ちなみに前回の旅打ちはというと、ちょうど高知競馬が虎の子の基金をつぎ込んで照明を整備し、通年ナイターへと踏み切ってから半年ほどした2010年3月の開催。高知駅前…

アングロ・アラブの神々がいた時代――ホウセント・フクパーク考

ホウセントと馬主の白井新平氏(左)。騎乗しているのは引退レースを乗った田中利衛調教師*1、同馬の主戦の須田茂騎手は一門。自身は北関東の名門塩野七郎氏の流れで、戦中は朝鮮半島に渡りかの地の競馬で暴れまくったという*2。写真出典:競週社『競週地方競…

カイロスと福山競馬場の思い出

競馬場の廃止まで、残り2週間開催4日分を残すだけとなった福山競馬場の特観席。一番奥まったところにある来賓・馬主席で、ある初老の老人がテレビカメラを向けられインタビューに応じていた。曰く、「いやぁ、これはまあ、ひとつの文化ですからねぇ。残って…

されど馬走る――第50回報知オールスターカップ

ボートの賞金王決定戦と有馬記念、東京大賞典を筆頭とする地方競馬の年末重賞に競輪グランプリ、そしてラストの一発スーパースター王座決定戦まで。そりゃ坊主だって走り出そうって塩梅の12月も、財布に穴が空いたり空かなかったりしながら騒々しくも終わっ…

東京大賞典を前にして

突然だが、あなたが押しも押されぬイギリスの大手ブックメーカーの社員であったとしよう。配属先は「スペシャルオッズ作成課」、普通のギャンブルにはもう飽き飽きしたのか、はたまたたんなるきまぐれかは知らないが、全国各地から送られてくる「俺の思いつ…

反省会といいますか

敢えてはっきりと申し上げておきますが、わたくしも大井競馬もまったくもって完膚無きまでの完敗でございました。 12.0-10.4-11.4-12.7-12.3-13.5(1:12.3) いやね、正直9Rを見終わった時点ではかなり自信があったんだよ。今日の大井は昨夜のうちに一雨降った…

笠松競馬観戦記

本業が一段落ついたら、笠松グランプリを見に行こうと決めていた。もともとは中央との開放元年以前から存在した貴重な全国交流競走にして、のちには統一GⅢ格となった全日本サラブレッドカップ――後発の金沢のサラブレッドチャレンジカップは、もうちょっとレ…

プレイアンドリアルについて、なんかもにょる

いや、まあ正直参りましたよ。ほんとに舐めてました、すいません。 2戦のキャリアだけにわからんところがあったといえばそうなのだが、道営でのスーパー認定新馬(通常150万円の1着賞金が200万円)の楽勝は上がりや時計がそこまで飛び抜けているわけではなく。…

老兵は去らず、ただ今日も走るのみ

一見なんの変哲もない、本日2013年9月17日の金沢競馬最終レース。しかし、このレースで夏休み明け一ヶ月ぶりにファンの前へと姿を見せた馬がいた。その名はビーファイター、中央ではめっきり数を減らしたアサティス産駒の1頭である。まあ、もともとダートで…

日韓交流競馬に関してぐだぐだと(2)

この日のソウル競馬場は4万人を超える大入りとなったわけだが、韓国の競馬はまたなかなかどうしてこのファンが熱い。ほら、場外でモニターの下に集まったなら、日本でも一人くらいはいますよね。毎度毎度どんな展開でもやたらめったらに絶叫したあげく、レー…

日韓交流競馬に関してぐだぐだと(1)

さてさて、ソウルくんだりまで行ってきましたよ第1回日韓交流競馬。しかし関東に現存する6競馬場はもちろんとして、高知、金沢、名古屋、門別、水沢、園田。私もここ数年でずいぶんとあちらこちらの競馬場を巡ったものなのだけれど、まさか競馬で海外まで行…

的場文男、35000戦6500勝の夜のこと

8月末の川崎ナイター競馬も、いよいよ開催最終日。連日続くゲリラ豪雨はこの日も好き放題に水たまりを馬場へと遺していき、それを馬の蹄が蹴散らすたびにますますぬかるみが深まっていくのが聞こえてくる。それでも、さすがに夏至を一月も過ぎれば日の暮れる…

日韓交流競走を考える

昨年の3月28日から30日にかけて、静岡の伊東温泉競輪にて日韓対抗競輪が開催されたことを知っている人は、競馬界隈ではあまり多数派ではないのかもしれない。これは過去S級下位選手とのエキシビジョン扱いでてきとうにやっていた日韓交流競走を発展させたも…

地方競馬の売上を振り返って

7月24日、以前より話は出ていた、中央競馬のPATによる地方競馬の相互発売が正式に発表された(http://www.sanspo.com/keiba/news/20120724/kei12072415000010-n1.html)。将来的な廃止について囁かれない競馬場は「存在しない」といっても過言ではない現在の危…

三冠馬とはなにか?

言うまでもないことだが、三冠馬とは最強馬のことではない。 歴代の三冠馬を見渡しても、セントライトは一線級の古馬とのハンデ戦で数個の黒星を献上しており、シンザンが調整代わりのOP戦で3度2着に敗れたことは広く知られている。シービーとブライアンなど…

ぐだぐだとフランス競馬に驚く

新年早々あれやこれやと舞い降りてくる用事をこなしているうちに、大晦日の更新からずいぶんと間が開いてしまった。まあどの用事も「予定されていた」ことであったのだが、どうやら生来の怠け癖からは今年も離れられないらしい。どれも手をつけるのは、締め…

雑感

荒尾競馬場最後の日が終わった。主催者によると、この日の観客数は普段の10倍以上となる9000人を記録。あの有名なとんこつラーメン屋にも大行列ができるほどの混雑ぶりだったとのこと。こうなると「ふだんからこれくらい入っていれば・・・・・・」などという怨み…

祭りのまえの寂しさが

いよいよ、荒尾競馬場の廃止まであと2日。私は荒尾競馬場83年の歴史をろくに知らない。だが良くも悪くも、荒尾競馬場はこの平成の世にあってクラシックな「草競馬」の雰囲気を濃厚に漂わせていたように思える。もう、末期の開催は週にたった1回だけとなり、…

新人・下村瑠衣の覚醒

さて、皆さんは下村瑠衣騎手をご存知だろうか?彼女こそ高知の「まいーご」こと別府真衣騎手以来長らく絶えていた待望の新人女性騎手であり、ふだんは道営の谷口常信厩舎に所属している。まあ腕の方は新人にしてもちょっと・・・・・・なところが多く実際に初勝利…

大井のAW導入議論に寄せて

TCK 特別区競馬組合、観客増員へ攻めの姿勢 −全天候型馬場を検討 http://www.nikkan.co.jp/news/photograph/nkx_p20111127.html まあAW導入の話はちらほら出ていたので、格別大きな驚きはない。あくまで「検討」であるし、多くの可能性を議論にのせていく…

意外な意外なご提供

ちょっと前に、twitterでこんなツイートをしたことがある。高知競馬はネット中継でよさこいナイターのCMを合間に流しているのだが、よくよく考えればそれを見ているのは既に釣りあげた魚ばかり。そいつら相手にわざわざ広告する意味は本来皆無であり、たんな…

語られることのない、サンデーサイレンス産駒最高記録

遅ればせながら、9月に高知競馬・別府真司厩舎所属のサンデーサイレンス産駒、アトンが登録を抹消していたことに気がついた。 実はこの馬、幾多の名馬を抱えるサンデーサイレンス産駒の中でも、恐らく2位以下をぶっちぎっての(※1)不倒の大記録を持っている。…