忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(9)

(b)優秀騎手・厩務員の表彰 年度代表馬が発表された翌月、つまり3月号で発表された。競馬場で行われる表彰式でリーディングジョッキーに賞状を手渡すのは白井新平オーナーその人で、当時の白井新平が南関東で占めていた地位を端的に示しているといってもよい…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(8)

3.特集記事 定期連載記事のほかにも、毎号いくつかの特集記事が載せられていた。中にはやはり「定番」化したネタも多くある。また白井新平による記事を含めて、こちらの特集記事は時事性が高いものが多かったため『昼夜通信』への転載も比較的多く見られた。…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(7)

(l)サラブレッド・ファミリー:日本サラブレッド牝系大鑑 『アラブ系牝馬血統大鑑』からはや5年。1970年8月号より、田辺は「サラブレッド・ファミリー:日本サラブレッド牝系大鑑」と銘打った連載を1年半にわたって掲載する。本人曰く、「アラブ系牝馬血統大…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(6)

(j)ひづめの声 田辺一夫による連載。1964年11月号から掲載が始まった、時事的な事柄を考察していくなんの変哲もないコラム記事。だが、直後に後述の「アラブ系牝馬血統大鑑」の連載が始まると、さすがに2本は辛かったのかなし崩し的に終了した。(k)アラブ系…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(5)

(f)新参加馬の横顔(プロフィル) 新参加馬と言ってもこの場合は新馬ではなく、中央競馬を含めた他地区からの転厩馬のこと。当時の南関東競馬の賞金水準は中央競馬と伍する水準であっただけに、その中には中央オープンでの実績馬や、東海や園田、岩手など各地…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(4)

(d)全国だより:全国公営競馬主催者協議会、News or Not(ニューズ・オラ・ナット) このふたつはニュース系の連載であり、当然ながら最後まで毎号掲載された。「全国公営競馬主催者協議会とはいわゆる地全協の前身となった任意協議団体だが、地全協発足後もコ…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(3)

2, 定期連載記事 『競週地方競馬』の構成は、大きく分けて毎号掲載される定期連載記事と、時事性の強い内容を取り上げる特集記事で構成されている。とりわけ特集記事のうち、巻頭で取り上げられ大見出しが使われるものは「○大特集」として表記されていた。 …

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(2)

第1章 『競週地方競馬』の概要1. 啓衆社 南関東競馬と縁のない若いファンからすればなじみの薄い存在だろうが、南関でケイシュウニュースといえば古参筋に愛用者が多い、玄人向き新聞としての評価が定着している。中央のファンであっても、ときに『優駿』上…

忘れられた競馬雑誌『競週地方競馬』を読む(1)

地方競馬こそが本流である 日本は発展した。飛躍した。景気のよい池田内閣の収入倍増論がその異端を象徴しているように、日本の経済の発展は、世界の驚異ですらある。我が国の競馬もこれにともなって、大発展した。中央、地方を問わず日本の競馬界の全体がは…