南関血統診断 No.2

 はい、今週もカンによる血統診断始まりますよ。

エミーズパラダイス(牝 船橋川島正行 社台ファーム生産)

 母エミーズスマイル(父アグネスタキオン)は道営でデビューし中央へ転厩、2007年のアネモネSを勝ち桜花賞にも出走している(15着)。さらにはその下にも同じく道営出身で2007年の北海道2歳優駿を制し、全日本2歳優駿でもディアヤマトの2着。南関クラシックでも活躍したディラクエ(父フサイチコンコルド)がいる。血統的には父が同じ叔父の再来を狙っただろうことは想像に難くなく、この馬も道営から南関に転厩してどれだけ活躍できるか期待したいところ。

 基本的には、母エミーズスマイルが5代までにNorthern Dancerを一本しか持たないのを活かし、父フサイチコンコルドの持つ派手なNorthen Dancerのクロスをこれ以上濃くするのを避けるアウト基調の配合。かといって時代遅れの血統というわけでもなく、とりわけタキオンを経たことで叔父とは異なり、フサイチコンコルドが持つHail to Reasonクロスを無理のないレベルで上重ねすることに成功している。全体に隙のない、重厚さを感じさせる見事な血統表かと思います。

ボンカマラード(牡 大井・藤田輝信 サイファーム生産)

 遠縁に94年の共同通信杯ナリタブライアンの2着となったアイネスサウザーがいる程度で、近親に目立った活躍馬はいない。母ススズカレンも、道営の下級戦で走ってわずか2勝どまりだった。

 父タニノギムレットの見事なGraustark×Teddy近交はいうに及ばず、母もNorthern Dancerの重めのクロスを持っている。そこにさらにCaroのクロスを加えるのは試みとしては面白いが、やや軽さに欠ける印象も。まあタニノギムレット自体がどちらかというとスピードに任せた競馬をするタイプを輩出する印象だけに、あんがい丁度いいのかもしれない。面白いところとしては、Caro産駒のクリスタルパレスシャルードはどちらも母父がSt.Simonのラインで、前述のRibotのクロスと合わせてSt.Simonが4本。ついでにCaroの母ChambordはHurry On系のChamossaire産駒だが、ユタカオーの母母スターハイネスの父ユアハイネスはやはりChamossaireの子なので、別線含めこの馬の6×6×7が成立しているのだ。まあそれがなんだといわれればそこれでなのだが、Hurry Onラインのクロスとはなかなか拝めるものではない。軽い流行血統を受け止める底力は十分、これが牝馬ならば、次世代に期待がかかるところなのだけれど。

カンパ→ 乞食100