2013年度2歳馬血統診断No.1

 さてさて、ダービー・ウィークも終わったことだし、いつまで続くかわかりませんが2歳馬の血統診断でもやりますかね。
No1. テイクユアチョイス牝馬、大井・蛯名雄太厩舎、社台ファーム生産)

 6月3日の大井新馬・1000mにて良馬場1:02.3、2着に1.4秒差をつける大楽勝でデビューしている。全兄トップオブザシーズ(09年産)はやはり大井・栗田裕光厩舎に所属し、クラスこそC1ではあるがここまで7戦2勝2着5回とまだまだ底が割れていない。本馬は社台オーナーズ所有だけに、今後も重賞戦線への出走を目指して野心的に使ってくるのだろう。血統的にみてみると、母方はミスプロの大きなクロスを中心に米系の軽いスピード血脈で固められ、ゴールドアリュールのスピード面をしっかり引き出す無難なアウトブリードによる構成となっている。ただし、ゴールドアリュール産駒で一流にまで至るにはやや重さに欠けるようにも思え、淡白な一本調子の気性になってしまわないかとも。

No.2 モリデンボス(牡馬、道営・斉藤正弘厩舎、森田芳男生産)

 6月4日の門別・認定競走にて勝ち上がり。半兄弟には2011年の王冠賞で2着するなど道営クラシック戦線で善戦を続けたモリデンクーバー(08年産、父タヤスツヨシ)を筆頭に、地方でそこそこ走っている馬が多い。またこの馬の牝系を辿っていくと、かのハイセイコーを輩出した東京都競馬組合輸入の豪サラ・ダルモーガンの末裔であることが分かる。とはいえ、この牝系から近年目立った活躍馬は出ていないようだ。ちなみに、タケシバオーもやはり豪サラ・クニビキの一族。この母系は、大井で走るべくしてあるような血統だな。
 さて、血統表中でとにかく派手に目立つのが、Nureyev(Northern Dancer×Special)とその半姉Fairy Bridge(父Bold ReasonNorthern Dancer=Sadler's Wellsの変則相似クロス(という表現があっているのか知らんけど)。こういうことができるあたりさすがは世界的良血・Kingmamboといったところで、サドラーとのこのクロスといえば、なんといってもエルコンドルパサーが一番の成功例に挙げられるだろう。ボトムでSpecialの全妹・Lisadellまで重ねているエルコンと違うのは、アメリカンボス自体がすでにもう一本別線でNorthern Dancerを持っていること。しかし、母にはHyperionを含めたGainsboroughが4本に、さきほど触れた豪サラ2頭が広義のTouchstone系に属するEclipse系傍流・Dark Ronald×Blandfordとしてボトム近辺で交わっている。そのため、全体で見たときにくどさはまったく感じさせない。ミスプロ父系でありながらガッチガチに完成された重厚さは十分過ぎるほどで、あとはこれにどれだけスピードが乗るかが焦点になりそうだが。