1960年――秋の鞍(オンスロート)、川崎記念(イチカントー)ほか

<1960年>

公営日本一 オンスロート 12戦4勝 534.5万円 秋の鞍・ニューイヤーハンデ
公営準日本一 センジユ 24戦7勝 439.3万円 銀盃・ワード賞・船橋記念

 この年より、中央においても現在のJRA賞にあたる啓衆社賞を主催していた啓衆社が、南関東競馬を取り扱う月刊誌『競週地方競馬』上で南関東年度代表馬を選出している。同社の創業者である白井新平は黎明期の南関東競馬においてスターティングゲートの導入など数々の貢献をなした人物であり、馬主としても地方競馬で唯一馬主服を許可されていたというほど。以下の文章は年度代表馬選定にあたって掲載された氏の手による発起文だが、やや癖はあるが高い見識を備えた名文である。

もう中央に劣等感を持つ必要ない*1

 洋式競馬が日本に輸入されたのは文久元年、今年はその本家を継承してきている中央競馬では、競馬百年祭を大々的に企画している。公営=地方の競馬は、洋式競馬以前から日本の土壌から生まれ、幾多農右折に堪え忍びながら今日に至った。近代競馬というと洋式競馬と見るのは大方の意見であり、これは又間違った見方ではない。
 南関東公営が、今日のごとく中央競馬と何ら遜色ない組織を持ったのは、大井、川崎、船橋の3競馬場が相次いで竣工した昭和25年以降である。当時は準国営競馬(中央競馬の前身)として『準』の字を冠してその発展を喜んだ。しかしもはやその『準』の字も返上して良い時代に来ている。
 昨年中央競馬の売上は300億公営は310億だとみこまれている。全公営では中央の売上を凌いでいる。しかもこの全公営の7割、約210億は南関東一都三県で占めている。これは中央競馬の中山、府中が、ほかの中央競馬場を圧しているように。このことは現在競馬の強力さにおいて、関東の中央(中山、府中)と南関東公営(大井、川崎、船橋、浦和)は、拮抗した存在と見て間違いない。もしも公営で場外馬券を発売したとなるなら、公営の巨峰大井競馬は、中央、地方問わず日本一の売上を誇る大競馬場となることは、誰しも予測するだろう。
(中略)
 まだひとつ、大きな問題がある。偉大なるショーをやるためには、底に偉大なるスターがいなければならない。売上が経済界の好況以上に伸長していることは、ファンが年々増加、支持されていることが強いことを意味している。ファンは決してスタンドを見に来るのでなければ、スターティング・ゲートを見に来るのでもない。そこに走る馬そのものを見に来るのだ。いかに器が綺麗であっても、その中が、終戦当時のようにイモアメだったら誰も振り向くはずがない。南関東公営にはファンの声援に応えるには十分な名馬はいたしまた現在もいる。
(中略、南関出身の有力馬列挙)
 年度の代表馬を選定することの意義は大きい。その代表馬は永久に公営競技史上に特筆され、ファンのみならず競馬関係者全てにその栄誉は記録される。公営競馬にとって大きなプラスとなるだろう。ちょうど中央のその年度を回顧するとき、ミハルオーが23年、ゴールデンウエーブが29年と、その年のダービー馬によって、レースの連観が辿れるように南関東公営において、昭和36年は○○○○40年の○○○というように、この代表馬が、その年度のレースの回顧、それに連なる一巻とした公営競馬の歴史の1コマを教えるであろう。
 南関東公営に代表馬を、自らレースを見、自ら拍手を送ったファン各位が、自らの手で選ぶにふさわしい時が来ている!むしろみかたによっては遅きに逸したかも知れないが、ここに代表選定について、ファンの絶大の支援をお願いする。

 さて、記念すべき第一回の公営日本一にはオンスロートが、アラブから選ぶとされた準日本一にはセンジユがそれぞれ選ばれた。現在から見るとまあ妥当な選出だが、両頭ともこの年は苦しんだシーズンとなっている。オンスロートはダイサンコトブキに阻まれ大井盃と春の鞍を落としており、センジユも重賞3勝は立派だがアラブの酷量地獄は相変わらず。サラのC級に挑戦し始めたが、乾坤一擲でオンスロートを破ったスプリンターハンデのあとは勝ちきれないままだった。とりわけアラブに関しては、タカラガワ・タカライザンの4歳2強が一年を通して重賞戦線を盛り上げために、センジユに代わって準日本一に推す少数意見も存在した。

<レースメモリアル>
川崎記念 7月24日 川崎競馬場 サラ系ハンデ 距離:2000m 1着賞金:150万円
1枠1番  ユウフク(牡5) 古野(50)
2枠2番  コンリユウ(牝6) 木村和(52)
3枠3番 ○ダンサー(牡7) 武智(57)
4枠4番  ツルミオー(?) 青野(50)
4枠5番 △イチカントー(牡8) 藤田安(53)
5枠6番 ◎フサリユウ(牡5) 佐々木国(51)
5枠7番  オパールオー(牡5) 朝倉(51)
6枠8番 ▲ユウセイ(牡7) 鈴木冨(55)
6枠9番 ×アオヤギホープ(?) 小筆(56)

 現在の南関東で「川崎記念」と言えば、それは1月下旬におこなわれる川崎の統一グレードGⅠのことを指す。だがこの時代にその競走は開設記念として施行されており、こちらはというと現在の報知オールスターカップ――1964年から同名で施行――の前身にあたる競走である。当然ながら帝王賞が存在しない時代であったから、サラブレッドの古馬にとっては大井記念と並ぶ春の一大目標とされていた。さしむね、大井記念春の天皇賞川崎記念宝塚記念と考えて貰えればだいたいのイメージはつかめるか。

 そしてそんな大レースを通算3度も制したのが、このイチカントーである。ダービーでの13着を始め冴えない条件馬に過ぎなかったセイザンなる馬が、4歳秋に失意のうちに南関東へと都落ち。いつだか走れなくなるその日まで、才能と運に恵まれなかった大半の競走馬が辿る哀しく長い道のりを、彼もこのまま歩んでいくことになるはずだった。それがこの地で名に変えると、とたんに信じられないような快進撃が始まるから本当に競馬とは面白い。あれよというまに10連勝、5歳にして初の重賞挑戦となった大井記念で地方での初黒星を喫したが、これは前年の秋の鞍馬ケンチカラに半馬身差まで迫った2着。そして続くこの川崎記念で、コスモライトをハナ先ひとつ差し切って重賞初勝利を挙げたのだ!この年はその後も金盃・秋の鞍と南関東の大レースを文句なしに制し、イチカントーは南関東サラブレッドの頂点へと上り詰める。

 この年に8歳となるとさすがに往年の力は陰りを見せ、また春先を脚部不安でほぼ全休してしまう。それでも船橋で復帰戦を叩いて2着すると、この大一番に向けて懸命の調整が続けられた。その期待に応えるように、イチカントーはいつも通り道中は後方に陣取る。そして好位から先頭にたった中央重賞2勝馬・フサリユウを、量ったように大外から全盛期なみの末脚で強襲。あっという間に突き放していった。

 その後、イチカントーは翌春、旧9歳にして高知競馬へと転売される。だが、このトレードはめでたくも種牡馬入りを前提としたものであった。数は少ないながらも高知県産馬の父として、イチカントーの名を確認することができる。

<レース結果>
1着 4枠5番イチカントー 2:08.7
2着 5枠6番フサリユウ 1 1/2
3着 3枠3番ダンサー 2
4着 6枠9番アオヤギホープ 7
5着 4枠4番ツルミオー 1
単勝:6番900円 複勝:6番140円3番110円9番110円 6枠連単:5→3 1450円 

イチカントー(旧名:セイザン)(牡) 小暮嘉久厩舎(大井) 1953年生まれ 出生地不明 父トサミドリ 母フジヨシ(ハクリユウ)
3歳(中央):7戦1勝(25.0万円)
4歳(中央):15戦2勝(88.1万円)
5歳:秋の鞍、金盃、川崎記念大井記念2着、NTV杯3着、オープン級2勝
6歳:川崎開設記念、新春盃、オープン級2勝
7歳:川崎記念、川崎開設記念、NTV盃2着、金盃3着、大井記念3着、オープン級3勝
8歳川崎記念オープン級1勝

フサリユウ(牡) 井上宥蔵厩舎(川崎) 1956年生まれ 出生地不明 父トシシロ 母昇祝(ワカマサ)
3歳(中央):阪神3歳S2着
4歳(中央):阪神大賞典2着、朝日チャレンジカップ3着
5歳(中央):京都記念(春)、日経新春杯
中央通算:26戦10勝(611.3万円)
5歳:オープン級1勝
6歳:NTV盃、秋の鞍2着、川崎記念2着
7歳:大井記念3着
9歳:オープン級1勝

オパールオー(牡) 井上宥蔵厩舎(川崎) 1956年生まれ 新冠産 父トシシロ 母オパールオーキツド(MacArthur)
3歳:全日本三歳優駿2着
4歳:ニューイヤーカップ
4歳(中央):3戦0勝(51.8万円)
5歳ダイオライト記念オープン級1勝
6歳:新春ハンデ、オープン級1勝
7歳(東海):東海桜花賞3着
10歳(東海):東スタンド完成記念3着

春の鞍 5月12日 大井競馬場 サラ系4歳別定 距離:2000m 1着賞金:200万円
1枠1番 ×ニツケイライト (牡4) 長沢保(57)
2枠2番 △ヨシミドリ(牡4) 荒山(57)
3枠3番  ライメー(牡4) 佐藤信(57)
4枠4番  ウシワカ(牡4) 朝倉(57)
4枠5番  ミスツバサ(牡4) 内田秋(57)
5枠6番 ◎オンスロート(牡4) 赤間清(57)
5枠7番  イチキヨサチ(牝4) 須田茂(55)
6枠8番 ○ダイサンコトブキ(牡4) 矢熊(57)
6枠9番 ▲イチトミシヨウ(牡4) 佐藤清(57)

スプリンターハンデ 8月28日 大井競馬場 サラ系ハンデ 距離:1200m 1着賞金:不明
1枠1番 △ウインスター(牡6) 土屋(51)
2枠2番  センジユ(牡5) 佐々木正(49)
3枠3番 ×ユウセイ(牡7) 鈴木冨(52)
4枠4番 ◎ノワケ(?) 佐々木国(52)
5枠5番  ツルミオー(?) 青野(49)
6枠6番  タケハタ(牡6) 神藤(48)
6枠7番 ○オンスロート(牡4) 赤間(48)

 3歳時のオンスロートは、まさしく鬼神のごとき強さで南関東を好き放題に暴れ回った。ところが、4歳になって最初の重賞であるニューイヤーハンデこそ圧勝したが、ここから一転して思うような結果がでなくなってしまう。いったん休んで復帰戦の対古馬戦では、いくらB級戦とはいえども9着の大惨敗だから大変だ。こうしてオンスロートがどうにもピリッとしないところに、新たな有力馬として台頭してきたのが、船橋は出川一門の誇るコトブキ軍団・ダイサンコトブキであった。

 3歳時は地元・平和賞でオンスロートの遙か後方・7着に敗れていたダイサンコトブキ。だが、東京ダービー通算5勝の大記録を誇った名伯楽の仕上げは確かであり、きっちりと大井盃に間に合って1着。春の鞍へ向けての弾みをつけた。一方、ここでまさかの3着に敗れたオンスロートは、次走に敢えて選択した古馬のオープン特別でもアオヤギホープの2着。勝ちが遠い状態のままで、大一番の春の鞍を迎えることとなる。レースの方は前走・桜花賞でダイサンコトブキをアタマ差凌いだイチミトウシヨウが、今回もその再現を狙い飛ばして逃げる。少し間を置いて、ダイサンコトブキとオンスロートがぴったりと並んで追走した。3コーナーでイチミトウシヨウが一杯となり、早くもレースは二頭のマッチレースの様相。だが、直線の追いあいを制したのは矢熊騎手の方だった。3着こそ9馬身離しているが、3歳時の圧倒的な強さからすれば必勝だったはずの春の重賞二鞍。これをどちらも落とすとは、3歳時を見ていたものなら誰も想像だにしなかったに違いない。

 狂った歯車は容易には戻らず、オンスロート古馬重賞への初挑戦となった大井記念でも7着に沈む。いったん休養に入り、懸命に建て直した復帰戦の準重賞・スプリンターハンデでも、1キロのハンデ差がありながらアラブのセンジユに大駆けを許し、アタマ差の2着に競り負けてしまう。これはセンジユのサラブレッド顔負けの強さを象徴するエピソードとしてよく知られた一戦だが、センジユはその後サラのオープン級では4・5着がせいぜいであっただけに、むしろ見るべきはオンスロートの停滞ぶりの方なのだろう。

<春の鞍 レース結果>
1着 6枠8番ダイサンコトブキ 2:10.6
2着 5枠6番オンスロート 2
3着 1枠1番ニツケイライト 9
4着 6枠9番イチキヨサチ アタマ
5着 2枠2番ヨシミドリ 4
6着 6枠9番イチトミシヨウ 3
7着 3枠3番ライメー 1 1/2
8着 4枠5番ミスツバサ 1 1/2
9着 4枠4番ウシワカ 3

単勝:8番210円 複勝:8番110円 6番130円 1番150円 6枠連単:5→1 460円

<スプリンターハンデ レース結果>
1着 2枠2番センジユ R1:27.3
2着 6枠7番オンスロート アタマ
3着 3枠3番ユウセイ 6
4着 5枠5番ツルミオー 1 1/2
5着 4枠4番ノワケ アタマ
単勝:2番1360円 複勝:2番520円 7番230円 連単:6→3 11460円

秋の鞍 11月1日 大井競馬場 サラ系ハンデ 距離:2600m 1着賞金:300万円
1枠1番  オータジマ(牡6) 松浦(49) 
1枠2番  ナンシーシヤイン(牡9) 高岩(49)
2枠3番 ○インターナシヨナル(牡5) 中島政(54)
2枠4番  オパールオー(牡4) 朝倉(49)
3枠5番 △フサリユウ(牡5) 杉山(54)
3枠6番  ウインスター(牡6) 荒山(51)
4枠7番  サンセイカツプ(牝4) 須田(49)
4枠8番  ユウセイ(牡7) 加藤安(54)
5枠9番 ▲アオヤギホープ(?) 小筆(55)
5枠10番 ◎オンスロート(牡4) 赤間(52)
6枠11番  ダイサンコトブキ(牡4) 矢熊(51)
6枠12番 ×エータイム(牡6) 佐々木国(58)

 長く苦しかったトンネルは、9月25日の大井にて8ヶ月ぶりの勝利を挙げたことでようやく明けた。続く10月の開催でもオープン特別を快勝し、今度こそ万全の体勢で秋の鞍へと臨む。ここで対抗馬となったのは、かつての関西中央3歳チャンピオン・インターナシヨナル。しかし4歳になってからはNHK杯での5着があった程度に終わり、けっきょく5歳のうちに南関東へと流れてきた馬だ。オンスロートにとっては、早熟の天才の名に苦しんだ過去と決別するのに、絶好の相手だったことだろう。めずらしくスタート直後から先頭に立つと、そのままペースを緩めずに軽やかに砂の上を駆けていく。追走しようとした先行組はエータイム、サンセイカツプ、ユウセイと続々脱落し、なんとかフサリユウがバテずに踏ん張る。最後にダイサンコトブキが一気に脚を伸ばしてきたが、さすがに勝負に入るには遅すぎた。オンスロートにとっては久々の、そして結果的に南関東競馬で最後の重賞制覇となった。

 オンスロートは翌年も前期は南関東で走りオープン級を2勝。秋には天皇賞有馬記念を目指して、府中・中村広厩舎へと転出する。しかし、このシーズンはかつて南関東で歯牙にもかけなかったはずのタカマガハラに阻まれ、タイトル獲得はならず。それでもいまさらその実力は揺らぐようなものではなく、6歳になると盤石の強さで春には淀の天皇賞を、そして6連勝でタカマガハラを下して有馬記念を制覇した。オンスロートはこれにより啓衆社賞年度代表馬を受賞し、日本競馬史上唯一の公営・中央双方で年度代表馬に輝くという金字塔を打ち立てている。その後は故障や厩務員ストの影響、さらには軽種馬協会から提示された種牡馬入りの金額が300万円という低さだったことから、1963年秋にオンスロートは古巣の大井・田中利衛厩舎へと戻る。だがさすがにレースへと出走はせず、古巣・大井の厩舎でしばしの休息を過ごしたのちに、関係者がようやく見つけた種牡馬としてのウケ入り先だった旭川・安田平作氏のもとへ旅立っていった。もっとも、繋養地の悪さに血統的な地味さもあって、目立った産駒を残すことはできていない。

<秋の鞍 レース結果>
1着 5枠10番オンスロート 2:50.1
2着 3枠5番フサリユウ 2
3着 6枠11番ダイサンコトブキ 1 1/2
4着 2枠3番インターナシヨナル アタマ
5着 6枠12番エータイム アタマ
単勝:10番340円 複勝:10番190円 5番270円 11番450円 6枠連単:5→3 1020円

オンスロート(牡) 田中九兵衛厩舎(大井) 1957年生まれ 青森・青森牧場生産 父カネリユー 母ヤハギ(クモハタ)
3歳:全日本3歳優駿、平和賞、3歳特別1勝
4歳啓衆社賞・公営日本一。秋の鞍、ニューイヤーハンデ、春の鞍2着、大井盃3着、オープン級2勝
5歳:オープン級2勝
5歳(中央):天皇賞(秋)2着、有馬記念3着、オープン1勝
6歳(中央):啓衆社賞年度代表馬、最優秀5歳以上牡馬有馬記念天皇賞(春)日本経済賞金杯(中山)、スワンS3着、オープン4勝
通算:41戦26勝(2023.9万円)

エータイム(牡) 井上宥蔵厩舎(川崎) 1955年生まれ 岩手県産 父ゲイタイム 母家臣(トウルヌソル)
3歳(中央):1戦0勝(0.0万円)
4歳(中央):朝日チャレンジカップ
5歳(中央):日経新春杯2着、京都記念(春)3着、鳴尾記念3着
中央通算:27戦3勝(335.3万円)
5歳:秋の鞍2着、オープン級1勝
6歳:川崎開設記念、大井記念、新春盃、オープン級1勝
7歳:川崎開設記念2着、新春盃3着、ダイオライト記念3着、オープン級1勝
8歳:新春盃、川崎開設記念3着、オープン級1勝

インターナシヨナル(牡) 所属不明 1956年生まれ 浦河産 父ライジングフレーム 母テツノヒビキ(Gladiolo)
3歳(中央):阪神3歳S
4歳(中央):13戦3勝(141.3万円)
5歳(中央):1戦0勝(8.5万円)
中央通算:22戦10勝(355.8万円)
5歳:大井記念3着、オープン級2勝

ウインスター(牡) 所属不明 1955年生まれ 荻伏産 父ハタカゼ 母ライト(ハクリユウ)
3歳(中央):10戦0勝(6.9万円)
4歳(中央):22戦5勝(183.2万円)
6歳新春盃2着
7歳(東海):東海桜花賞東海キング新春特別2着

<その他有力馬>
タカラガワ(牡) 安藤徳男厩舎(大井) 1957年生まれ 出生地不明 父ホウシユウ 母ヒライワ(ニーフアン)アラブ血量25.00%
3歳:ビクトリーハンデ、全日本アラブ争覇2着、3歳特別1勝
4歳:春の特別、ホウセント記念、千鳥賞、オープン級5勝
5歳:銀盃、アラブチャンピオン2着、オープン級3勝
6歳:アラブチャンピオン2着
ヒライワは黎明期の国営競馬で通算18勝を挙げている。3歳時は無敗のままビクトリーハンデをレコードで勝ち、1番人気で全日本アラブ争覇に臨むも2着まで。だが4歳になってさらに力をつけると、タカライザンら同世代の強豪を退け4歳アラブ重賞完全制覇の偉業を達成している。翌年には銀盃でセンジユと直線みっちり叩き合い、3/4馬身差で退けた。なお、タカラガワを南関東アラブ三冠馬とする記述も見かけるが、当時の千鳥賞は牝馬限定のブルーバードカップと対をなす牡馬限定戦であり、かといって中央の皐月賞桜花賞と対応するような格があったかとえば……。ホウセント記念もアラブ王冠賞に改名されるまでは南関東競馬デビュー馬限定のハンデ戦としての施行だけに、三冠として成立していたかは大いに疑問である。実際1969年にセカンドホーリが千鳥賞・アラブダービー、アラブ王冠賞を全勝した際も、『競週地方競馬』上ではそちらが「初のアラブ三冠馬」とされている。

タカライザン(牡) 井上宥蔵厩舎(川崎) 1957年生まれ 虻田産 父ホウシユウ 母スルガ(方景)アラブ血量28.90%
4歳:秋の特別、アラブチャレンジャー、こがね賞、アラブチャンピオン2着、ホウセント記念2着、春の特別3着、ワード賞3着
5歳:アラブチャレンジャー、アラブチャンピオン3着。
6歳:オープン級1勝
通算:51戦14勝
 戦後アラブの名牝・スルガが世に送り出した4兄弟の末弟にあたる。やや出世に時間がかかったが、春の特別で3着ののち出走したアラブチャレンジャーにて、12キロ差があったとはいえセンジユを3/4馬身抑えての重賞初制覇。秋には秋の特別を勝ち、ホウセント記念でタカラガワとともに61キロを背負いながら3着を4馬身引き離す熾烈な競り合いを繰り広げている。5歳になってからもアラブチャレンジャーを連覇しているが、これにより過去7回の同レース中、5回をスルガ4兄弟で独占という珍記録を残した。引退後は軽種馬協会に買い上げられ担振で種牡馬入りし、トモス・リキスの両兄弟には及ばないながらも1977年のタマツバキ記念・セイユウ記念を勝ったアームシシリアン(1974年産・母キヤニオンハニー[セントモレナ])らの活躍馬を送り出している。

サンセイミドリ(牝) 三坂博(厩舎(大井) 1958年生まれ 新冠産 父トサミドリ 母オパールオーキツド(MacArthur)
3歳:平和賞、全日本三歳優駿2着
4歳(中央):オークス3着
中央通算:8戦2勝(181.5万円)
4歳:キヨフジ記念3着、クイーン賞3着
5歳:クイーン賞2着、キヨフジ記念3着
オパールオーキツドの子として母と同じ三坂博厩舎でデビューすると、ユキロウの失格棚ぼたで重賞制覇。全日本三歳優駿でも2着した。4歳春ユキロウとともに中央入りし、オークスでも3着に好走している。その後はすぐ南関東へ戻りキヨフジ記念で3着となったが、好走すれども重賞での勝ち星は叶っていない。

タケイサミ(牡) 所属不明 出生年・出生地不明 血統不明
1960年(東海公営):名古屋杯。
1960年:白百合賞2着、こがね賞2着、オープン級2勝
1962年:障害オープン級2勝。 
 東海公営最古のアラブ重賞・名古屋杯を勝ったのちに南関東へ。オープン級で2勝を挙げたが、重賞では白百合賞ではハナ差、こがね賞ではタカライザンに1 1/2馬身差と悔しい競馬でタイトルを逃している。その後は平地のオープンでは好走できなかったが、障害入りするとA級戦で2勝を挙げた。

<重賞レース全戦績>

日付 レース名 距離 条件 賞金(単位:万円) 勝ち馬 勝ち時計 騎手(斤量) 調教師(所属) 2着 3着
01.01 大井 新春盃 2400 サラ系ハンデ 100 エータイム(牡6) 2:37.5 佐々木国(51) 井上宥蔵(川崎) ウインスター ユウセイ
01.12 浦和 ニューイヤーハンデ 2000 サラ系3歳ハンデ 60 オンスロート(牡4) 1:28.6 赤間清(55) 田中九兵衛(大井) クインシルバー(大) ヒデサカエ(1)
01.24 船橋 ブルーバードカップ 1600 アラ系4歳牝馬別定 40 シマウタ(牝4) 1:49.4 勝又衛(54) 佐竹海治(船橋) ハツピーローズ(1) ドミノ(2)
02.07 大井 千鳥賞 1600 アラ系4歳牡馬別定 40 タカラガワ(牡4) 1:45.7 荒山(55) 安藤徳男(大井) クリミナト(1 1/2) グンセイ(3/4)
02.14 川崎 開設記念 2800 サラ系ハンデ 150 エータイム(牡6) 2:53.6 佐々木国(54) 井上宥蔵(川崎) シヤチオー(6) コンリユウ(アタマ)
03.03 船橋 ダイオライト記念 1800 サラ系ハンデ 80 オパールオー(牡5) 1:55.7 朝倉(53) 三坂博(大井) セイシヨウ(1/2) ヘキレキ(1 1/2)
03.15 大井 銀盃 2000 アラ系ハンデ 50 センジユ(牡5) 2:11.4 須田茂(60) 倉内種太郎(大井) オウゴンバラツケ(1/2) ニツポンバレ(アタマ
04.01 大井 大井盃 1800 サラ系4歳牡馬ハンデ 100 ダイサンコトブキ(牡4) 1:58.2 矢熊(57) 出川己代造(船橋) ミスバイラツク(2) オンスロート(3)
04.07 浦和 桜花賞 1600 サラ系4歳別定 70 イチトミシヨウ(牡4) 1:43.7 赤間清(57) 遠間波満行(大井) ダイサンコトブキ(アタマ) セイビン(4)
05.01 大井 春の特別 1800 アラ系4歳牡57・牝55 70 タカラガワ(牡4) 1:59.5 荒山(57) 安藤徳男(大井) ナミカゼ(1/2) タカライザン(ハナ)
05.12 大井 春の鞍 2000 サラ系4歳牡57・牝55 200 ダイサンコトブキ(牡4)*2 2:10.6 矢熊(57) 出川己代造(船橋) オンスロート(2) ニツケイライト(9)
05.20 川崎 アラブチャレンジャー 1700 アラ系4・5歳ハンデ 50 タカライザン(牡4) 1:51.3 勝又衛(50) 井上宥蔵(川崎) センジユ(3/4)*3 ナミカゼ(4)
06.01 大井 大井記念 2400 サラ系ハンデ 150 エータイム(牡6) 2:37.8 佐々木国(57) 井上宥蔵(川崎) ダンサー(3/4) インターナシヨナル(1)
06.08 船橋 船橋記念 1800 アラ系ハンデ 50 センジユ(牡5) 1:55.7 佐々木正(62) 倉内種太郎(大井) マスホマレ(1 1/2) オウゴンラツキー(2)
06.21 川崎 キヨフジ記念 2000 サラ系牝馬ハンデ 80 サンセイカツプ(牝4) 2:10.2 武智(54) 三坂博(大井) イチキヨサチ(アタマ) スズニシキ(2 1/2)
07.08 大井 ワード賞 2000 アラ系ハンデ 60 センジユ(牡5) 2:13.0 佐々木正(64) 倉内種太郎(大井) オウゴンバラツケ(1/2) タカライザン(2 1/2)
07.24 川崎 川崎記念 2000 サラ系ハンデ 150 イチカントー(牡8) 2:08.7 藤田安(53) 小暮嘉久(大井) フサリユウ(1 1/2) ダンサー(2)
08.06 船橋 NTV盃 2000 サラ系ハンデ 100 フサリユウ(牡5) 2:05.7 佐々木国(54) 井上宥蔵(川崎) イチタケホマレ(6) オータジマ(2)
08.18 川崎 白百合賞 2000 アラ系ハンデ 60 ハルタカラ(牡7) 2:12.1 武智(57) 不明 タケイサミ(ハナ) イズマル(1 1/2)
08.24 浦和 ゴールドカップ 2000 サラ系4歳ハンデ 80 サンセイカツプ(牝4)*4 2:09.5 武智(56) 三坂博(大井) ニツケイライト(大) イチミトウシヨウ(1/2)
09.15 大井 金盃 2400 サラ系ハンデ 120 ダンサー(牡7) 2:37.4 武智(56) 三坂博(大井) オータジマ(4) ヘイワフジ(2)
10.11 船橋 平和賞 1200 サラ系3歳別定 60 サンセイミドリ(牝3)*5 1:14.9 朝倉(51) 三坂博(大井) サンセイホマレ(6) フラツトダリー(2)
11.01 大井 秋の鞍 2600 サラ系ハンデ 300 オンスロート(牡4) 2:50.1 赤間清(52) 田中九兵衛(大井) フサリユウ(2) ダイサンコトブキ(1 1/2)
11.04 浦和 こがね賞 2000 アラ系ハンデ 60 タカライザン(牡4) 2:13.4 佐々木国(50) 井上宥蔵(川崎) タケイサミ(1 1/2) ニツポンバレ(ハナ)
11.11 川崎 全日本アラブ争覇 1500 アラ系3歳別定 50 イズミオー(牡3) 1:39.7 永田(54) 不明 アオヤギヒカリ(ハナ) タイホー(1/2)
11.15 大井 秋の特別 2400 アラ系ハンデ 80 タカライザン(牡4)*6 2:39.1 佐々木国(54) 不明 ニツポンバレ(2) マスホマレ(アタマ)
11.24 船橋 クイーン賞 1800 サラ系牝馬ハンデ 80 サンセイカツプ(牝4) 1:54.3 武智(55) 三坂博(大井) コンリユウ(3) アキイズミ(2)
12.06 川崎 全日本三歳優駿 1600 サラ系3歳別定 80 ユキロウ(牡3) 1:43.8 古野(54) 朝倉文四郎(大井) サンセイミドリ(1 1/2) ハヤトリ(6)
12.20 川崎 アラブチャンピオン 2600 アラ系4・5・6歳ハンデ 80 マスホマレ(牡5)*7 2:59.4 矢熊(53) 不明 タカライザン(アタマ) ニツポンバレ(4)
12.30 大井 ホウセント記念 2000 アラ系4歳ハンデ 60 タカラガワ(牡4) 2:12.9 荒山(61) 安藤徳男(大井) タカライザン(1/2) ハルウイン(4)

<オープン級レース全勝ち馬一覧>
サラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.15 川崎 A・B級特別 1700 サラ系 エータイム 1:51.1
01.20 船橋 金の鞍 2000 サラ系 コンリユウ 2:08.2
01.28 大井 オープン特別 1800 サラ系 シーマタイガー 1:56.2
02.28 大井 オープン特別 1800 サラ系 ツルミオー 1:56.0
03.16 大井 A・B級特別 1800 サラ系 アオヤギホープ 1:57.5
03.25 川崎 オープン特別 1700 サラ系 イチカントー 1:50.1
04.03 大井 A・B級特別 1800 サラ系 アオヤギホープ 1:55.7
04.17 大井 オープン特別 1800 サラ系 アオヤギホープ*8 1:55.4
04.22 船橋 オープン特別 2000 サラ系 インターナシヨナル 2:06.3
05.03 大井 オープン特別 2000 サラ系 アオヤギホープ 2:09.5
05.15 大井 オープン特別 1800 サラ系 タケハタ 1:55.5
05.22 川崎 オープン特別 1700 サラ系 ダンサー 1:49.6
06.15 大井 オープン特別 1800 サラ系 オパールオー 1:55.9
06.26 大井 オープン特別 2000 サラ系 ダンサー 2:08.5
07.07 大井 オープン特別 1700 サラ系 ダンサー 1:49.8
07.13 船橋 A1以下特別 1800 サラ系 インターナシヨナル 1:52.6
07.31 大井 オープン特別 1800 サラ系 ノワケ 1:56.6
08.14 大井 オープン特別 1700 サラ系 セイシヨウ 1:49.7
08.28 大井 スプリンターハンデ 1400 サラ系 センジユ 1:27.3
09.05 川崎 オープン特別 1700 サラ系 ノワケ 1:49.9
09.25 大井 オープン特別 1800 サラ系 オンスロート*9 1:57.5
10.20 大井 オープン特別 1800 サラ系 オンスロート*10 1:57.5
11.18 大井 オープン特別 1800 サラ系 ダイサンコトブキ 1:55.3
11.30 大井 オープン特別 1800 サラ系 ユウセイ 1:55.4
12.06 川崎 A・B1級特別 1700 サラ系 ツルミオー*11 1:50.2
12.11 大井 オープン特別 2000 サラ系 フサリユウ 2:07.7
12.23 川崎 オープン特別 1700 サラ系 サンセイカツプ R1:48.7
12.30 大井 オープン特別 1700 サラ系 イチアサヒデ*12 1:50.0

●アラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.06 大井 A・B級特別 1800 アラ系 センジユ 1:57.4
01.17 川崎 A・B級特別 1600 アラ系 ニツポンバレ 1:44.7
01.29 大井 A・B級特別 1800 アラ系 イズマル 1:57.1
02.11 大井 A・B級特別 1800 アラ系 イチフクトミ 1:57.5
02.17 川崎 A・B級特別 2000 アラ系 ニツポンバレ 2:11.0
02.24 大井 A・B級特別 1800 アラ系 イチフクトミ 1:56.5
03.30 川崎 A・B級特別 1700 アラ系 ハルタカラ 1:57.4
04.05 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.0
04.16 大井 A級特別 1700 アラ系 オウゴンバラツケ 1:52.8
04.21 船橋 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:55.5
05.02 大井 A・B級特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.6
05.12 大井 短距離特別 1400 アラ系 オウゴンラツキー 1:30.4
05.18 川崎 オープン特別 1700 アラ系 ハルタカラ 1:51.9
06.02 大井 オープン特別 1800 アラ系 ハルタカラ 1:58.3
06.13 大井 オープン特別 1800 アラ系 イズマル 1:59.0
06.25 大井 オープン特別 1800 アラ系 イズマル 1:58.0
07.14 船橋 A1以下特別 1800 アラ系 タカラガワ 1:56.0
07.23 川崎 A・B級特別 1700 アラ系 ナニワカブト 1:51.9
07.30 大井 オープン特別 1700 アラ系 タケイサミ 1:51.8
08.05 船橋 オープン特別 2000 アラ系 イチフクトミ 2:10.4
08.30 大井 オープン特別 1700 アラ系 タケイサミ 1:51.4
09.11 大井 オープン特別 1800 アラ系 イズマル 1:59.1
09.23 大井 オープン特別 1800 アラ系 不明 不明
10.02 川崎 中距離特別 1700 アラ系 オウゴンラツキー 1:52.6
10.07 浦和 オープン特別 1600 アラ系 タカラガワ 1:47.1
10.13 船橋 オープン特別 1700 アラ系 オウゴンラツキー 1:48.8
10.18 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラガワ 1:59.0
10.30 大井 オープン特別 2000 アラ系 イズマル*13 2:11.5
11.28 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラガワ 1:58.5
12.09 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラガワ 1:56.7
12.28 大井 オープン特別 1700 アラ系 タカシヨウ 1:52.4

サラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.25 大井 4歳特別 1400 サラ系4歳 ライメー 1:29.8
02.06 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 イチトミシヨウ 1:37.0
02.25 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 ゴールデンビーム 1:37.7
03.16 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 ハルウイン 1:39.4
03.17 大井 4歳牝馬特別 1600 サラ系4歳牝馬 イチキヨサチ 1:44.1
04.14 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 ミスツバサ 1:44.6
10.30 大井 青雲賞 1400 サラ系3歳 ユキロウ 1:29.3
11.13 川崎 ローレルハンデ 1400 サラ系3歳 ユキロウ R1:29.8
11.30 大井 3歳特別 1400 サラ系3歳 タイホウ 1:30.9

●アラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
02.02 浦和 4歳特別 1400 アラ系4歳 カネミツオー 1:34.5
02.29 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 フクトミオー 1:38.5
03.10 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 リユウエウ 1:38.6
04.05 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ナミカゼ 1:37.6
04.16 大井 4歳特別 1600 アラ系4歳 シルバーホウヨウ 1:46.5
04.27 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 サヨアラシ 1:39.9

●アラ系障害

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.17 川崎 紅ばら賞*14 2500 アラ系障害 セイキ 3:03.8
01.28 大井 障害 2100 アラ系障害 フクサチオー 2:31.0
09.03 川崎 障害特別 2500 アラ系障害 シンタカラ 2:59.7
11.12 川崎 障害特別 2500 アラ系障害 ミツイサミ 3:02.1
11.29 大井 障害特別 2100 アラ系障害 タカテル 2:27.9
12.03 川崎 障害特別 2500 アラ系障害 ピユーレツト 3:01.7

*1:『競週地方競馬』1961年1月号巻頭。

*2:これで18戦8勝、456.6万円。

*3:センジユ62k、ここのところはサラC級

*4:ダイサンコトブキ5着(60k

*5:ユキロウ1着入線後失格

*6:センジユ着外(66

*7:センジユ5着(63k

*8:オンスロート2着(1 1/2

*9:2着ユウセイ、3着センジユ(1 1 1/2)オンス50、センジユ52

*10:センジユ4着

*11:センジユ5着

*12:センジユ4着

*13:センジユ3着(66k

*14:C級で施行

1959年――全日本三歳優駿(オンスロート・タカマガハラ)、アラブチャレンジャー(タチナミ)ほか

<1959年>
 昨年のチャンピオンたるダイニコトブキが新年早々に天皇賞を目指し転出したことで、中心不在となったサラブレッド戦線は一年間を通じて混線模様。4歳馬もこの年は不作で、けっきょく秋になってから転入してきたダンサーが3連勝で秋の鞍まで制してしまった。ただし、3歳でオンスロート、タカマガハラ、ダイサンコトブキ――まだ名は出てこないが――、サンセイカツプと、のちの有力馬らが続々とデビューしているのは見逃せないか。ではアラブの方はというと、センジユが春・秋の特別を含む重賞5勝で席巻したが、年末のホウセント記念・アラブチャンピオンはライバル格のオウゴンラツキーが連勝。リキスベビー・トモスベビーの兄弟タカクラホマレが銀盃でようやくの重賞初制覇をあげるなど、脇を固めるメンバーも好役者が揃った充実のシーズンとなっている。

<レース・メモリアル>
全日本3歳優駿 12月10日 川崎競馬場 サラ系3歳別定 距離:1600m 1着賞金:70万円
1枠1番  テツセン(牡3) 藤田安(54)
1枠2番 ▲サトリユウ(牡3) 柏木(54)
2枠3番  ロンドンホース(牡3) 杉山(54)
2枠4番 ○サンセイカツプ(牝3) 武智(52)
3枠5番  ハツカゼ(牝3) 佐藤清(52)
3枠6番  クインシルバー(牝3) 佐々木吉(52)
4枠7番  タカラカツフジ(牡3)長沢保(54)
4枠8番  ジユンタカラ(牡3) 宮下仁(54)
5枠9番  セイビン(牝3) 荒山(52)
5枠10番 ×ゴールデンビーム(牡3) 吉野(54)
6枠11番 △タカマガハラ(牡3) 平山朋(54)
6枠12番 ◎オンスロート(牡3) 赤間(54) 

 ほかの世代に生まれたならば1頭1頭が天下を取っていただろう才能の持ち主ばかりが、不思議とひとつの年に集まってしまうことがある。俗にいう「最強世代」というやつだが、日本の戦後サラブレッド競馬におけるそのハシリこそはこの1957年産世代であろう。名牝シラオキの子にして「カミソリの切れ味」を武器に二冠を達成したコダマ、牝馬ながら有馬記念を制し偉大なる名牝系の祖となったスターロツチ、晩成気味も重賞5勝を挙げ当時の中央競馬通算獲得賞金1位に輝いたホマレボシ、女傑スウヰイスーの弟ハローモア……そしてそんなキラ星のごとき同世代の活躍馬の中に、南関東から中央競馬へと転じたオンスロートとタカマガハラもいた。

 オンスロートは、元は陸軍省で軍馬購買にその手腕を発揮していた八王子牧場場長・得居喜一氏――1952・1953年の濠サラ輸入に際し、現地に渡ったのもこの人――が、大井の抽選馬として目をつけて購買した1頭である。その期待に応えるように、オンスロートは3歳のうちからデビュー以来11戦10勝2着1回、レコード更新3回という怪物ぶりを発揮してみせている。ではタカマガハラの方はというと、その生産者は野平省三門下で大井の調教師だった大山末治氏。当時大山調教師は生産と休養の拠点として長野県諏訪に霧ヶ峰牧場を開設しており、タカマガハラの登録上の出生地はこの牧場となっている。ただし、タカマガハラの父クリノハナ――1952年の中央二冠馬――は当時千葉県の柏で繋養されていたため、どうせならと母のクモゼキは種付け後も出産まで船橋競馬場に留め置かれていたらしい。実際、ひとつ上の姉キリガミネ(父フランクリー)は千葉県産で登録されているが、まあこれは色々と書類上のあれこれがめんどうだったのかもしれない。

 信州の山々に囲まれて幼年時代を過ごし、『古事記』に現れる神々の住まう天上の地の名を頂いたタカマガハラ。全日本三歳優駿のステップレースだったビクトリーハンデを勝ってはいるが、次走の平和賞ではオンスロートの7着に沈んでいる。前走で3歳としては異例の60キロを背負っても楽勝した、オンスロートとの力の差は、この時点ではあまりにも大きかった。その格の違いを、この全日本三歳優駿でタカマガハラは完膚無きまでに思い知らされる。落ち着いて好位に付けたオンスロートは、向こう正面でもう先頭へと躍り出た。そこから、後続はただただ離されていくばかり。1馬身、3馬身、5馬身……小回りのコーナーを鋭く回り、オンスロートはまるで単走で調教でもつけているかのようにレコードタイムで直線を独走する。最終的な着差はなんと15馬身にも及んだというから、その規格外の怪物ぶりには驚愕するほかないだろう。さてタカマガハラの方はというと、2着のサンセイカツプ――牝馬ながら世代二番手。父ウイザードは作家・新橋遊吉の愛したことで有名――から5馬身離され、4着タカラカツフジともアタマ差まで競られての3着に終わっている。

<結果>
1着 6枠12番オンスロート R1:44.2
2着 2枠4番サンセイカツプ 大(15)
3着 1枠2番タカマガハラ 5
4着 4枠7番タカラカツフジ アタマ
5着 5枠10番ゴールデンビーム 1
単勝:12番130円 複勝:12番110円 4番130円 2番330円 6枠連単:6→2 220円

 オンスロートとタカマガハラの、南関東での対決はこの全日本三歳優駿が最後となった。明け4歳、タカマガハラは正月に平場で1勝を挙げただけで、2月には東京競馬場の小西喜蔵厩舎へと移籍していく。だがこの新天地でも苦戦が続き、東京優駿にも出走はしたが22頭中10着。秋になって、ホマレボシの重賞初勝利となったカブトヤマ記念でも8頭中6着と惨敗している。この年は19戦してわずかに2勝のみ。遙かな高見から地上を睥睨していたはずのタカマガハラは、いつしか敗北の沼にどっぷりとはまり込んでいた。

 だが、年末の中山のオープン戦で2着したあたりから、タカマガハラはいよいよその才能を開花させる。新進気鋭の加賀武見騎手を主戦に据えるとにわかに着順も安定し、5歳5月の府中開催では東京盃東京記念と重賞を連勝した。秋も毎日王冠3着、オールカマー2着、目黒記念1着と手堅い走り。そしていよいよ、府中で行われる秋の天皇賞へと赴く。その出走馬の中には、この秋に同じく天皇賞を目指して中央入りしていたオンスロートの姿もあった。2年ぶりの再会となった2頭だが、タカマガハラはもはやあの頃の彼ではない。5番人気の低評価を覆し、タカマガハラは先頭でゴール板を駆け抜けたのだ!次走の有馬記念ではホマレボシに巻き返されての2着だったが、それでもオンスロートには先着して見せている。

 翌年も現役を続けたタカマガハラだが、思いもかけないさらなる転機が訪れる。アメリカのローレルパーク競馬場で開催される、ワシントンDC国際招待への招待状が送られてきたのである。船橋の馬房で生を受け、長野の山奥で育ったタカマガハラが、欧米の有力馬が集結するこの国際的大レースに日本代表として出走する。いったい関係者らにとっては、どれだけ感慨深かったことだろう。秋シーズンは遠征を見据えて鞍上を濠州での勝利始め国際経験豊かな野平騎手に変えて3戦し、いよいよタカマガハラは遙かアメリカへと旅立つ。地元アメリカはもとより、西ドイツ、イギリス、フランス、さらにはペルーとソビエト連邦からも出走馬が集まったこの1戦。結果は13頭中10着で終わってしまったが、ハクチカラに続く戦後2頭目の日本馬の海外遠征として、歴史にその名をはっきりと残した。

 その後、タカマガハラは帰国してすぐの有馬記念オンスロートの2着。明けて中山のアメリカジョッキークラブカップを4着したのを最後に現役を退いている。種牡馬として軽種協会から600万円で買い上げられたが活躍馬には恵まれず、晩年は再び霧ヶ峰牧場でその余生を過ごしたという。

タカマガハラ(牡)所属不明 1957年生まれ 長野県産? 父クリノハナ 母クモゼキ(ダイオライト)
3歳ローレルハンデ、全日本3歳優駿3着
4歳:4戦1勝
4歳(中央):15戦1勝(181.0万円)
5歳(中央):啓衆社賞・最優秀5歳以上牡馬天皇賞(秋)目黒記念(秋)、東京盃東京記念有馬記念2着、毎日王冠2着、オールカマー3着
6歳(中央):アメリカJCC、有馬記念2着、目黒記念(春)2着、東京杯2着、日本経済賞2着、オープン級1勝
6歳(海外):1戦0勝(0万円)
7歳(中央):1戦0勝(45.0万円)
通算:51戦10勝

サンセイカツプ(牝) 田中九兵衛厩舎(大井) 1957年生まれ 三石産 父ウイザート 母ポランターフ(Voluntary)
3歳全日本2歳優駿2着、平和賞2着
4歳:キヨフジ記念、クイーン賞、オープン級1勝。
5歳:新春盃、オープン級4勝。

アラブチャレンジャー 5月15日 川崎競馬場 アラ系4・5歳ハンデ 距離1700m 1着賞金:不明
1枠1番  ウイング(?) 武智(52)
2枠2番 ▲ビクトリー(?) 佐々木吉(50)
3枠3番 ×ニツポンバレ(?5) 小筆(55)
4枠4番 ○タチナミ(牡5) 荒山(57)
5枠5番 △イチフクトミ(?5) 朝倉(53)
5枠6番  チヤンピオン(牡5) 永田(52)
6枠7番  フラツトパンチ(?) 松村友(50)
6枠8番 ◎センジユ(牡4) 佐々木正(57)

 全日本アラブ争覇こそ出遅れで落としたセンジユだが、その程度の躓きで調子を落とすような馬ではなかった。その後は6連勝で千鳥賞をモノにすると――ちなみに、この日大井競馬場はその売上レコードを更新した――、3月末には早くも古馬のA級戦で勝ち星を挙げている。春の特別も土つかずのまま制し、古馬も含めたアラブ戦線を手中に収めるのも時間の問題かと思われた。センジユは続いて、アラブの4歳と5歳が顔合わせを行う川崎の重賞・アラブチャレンジャーへと進む。当然ここは通過点、夏場の重賞も含めて秋の特別まで一気に駆け上がる構えである。

 もちろんセンジユは圧倒的な人気に支持されが、ここでは全兄であるタチナミと初めて顔を合わせることとなる。タチナミは全日本アラブ争覇と千鳥賞でリキスベビーの2着に敗れ、充実して臨んだ秋の特別でもタカトシの3着。苦汁をなめさせられたからこそ、当時南関東にひしめいてたアラブ強豪たちの恐ろしさを誰よりもよく知っていた。いくら次世代の怪物といっても、ポッと出の4歳、しかも自身の弟などにいきなり敗れるわけにはいかない。果たしてレースの方は、最初からタチナミ・センジユがぴったり並んでのマッチレースの様相を呈した。きつい川崎のコーナー、短い直線を、兄弟は必死で叩き合う。そして、ゴール前で半馬身ほど抜け出したのはなんとタチナミの方だった。単勝は1080円、連単は裏目千両の1660円である。

<結果>
1着 4枠4番タチナミ 1:50.2
2着 6枠8番センジユ 1/2
3着 1枠1番ウイング 1 1/2

タチナミ(牡)所属不明 1955年 出生地不明 父方景 母イースタン(バラツケー)アラブ血量35.93%
3歳:全日本アラブ争覇2着
4歳:千鳥賞2着、秋の特別3着、白百合賞3着、オープン級1勝
5歳:アラブチャンピオン、船橋記念2着、オープン級3勝

イチフクトミ(牡?) 森田正一厩舎(大井) 1955年生まれ 出生地不明 父クラックセフト 母明美(バラッケー)アラブ血量不明
4歳:春の特別、4歳特別1勝
5歳船橋記念3着、オープン級1勝
6歳:オープン級3勝

<そのほか有力馬>
ダンサー(牡) 三坂博厩舎(大井)→小笠原円之助厩舎(川崎) 1954年生まれ 出生地不明 父ヒロサクラ 母名月(月友)
3歳(中央):2戦0勝(10.5万円)
4歳(中央):17戦4勝(171.1万円)
5歳(中央):7戦1勝(48.6万円)
6歳(中央):中京記念3着
中央通算:41戦9勝(474.0万円)
6歳:秋の鞍
7歳:金盃、大井記念2着、川崎記念3着、オープン級3勝
8歳:オープン級1勝
8歳(高知):3戦3勝
8歳(東海):2戦0勝
 父ヒロサクラは下総御料牧場の生産馬で、1944年に無観客で行われた戦前最後の帝室御賞典を勝っている。牝系はチツプトツプ〜第八チツプトツプのラインであり、全兄弟に1952年の鳴尾記念馬ヒロホマレ(1948年産)、1955年のオークスを制し子孫にはエスポワールシチーらが出たヒロイチ(1952年産)がいる良血馬だ。中央では芽が出なかったが、6歳秋に南関東へ転ずるとB級戦を2連勝。そのまま秋の鞍まで勝ってしまった。翌年も金盃を勝つなどオープン級で活躍を続けたが、8歳春にイチカントーとともに四国行きの商談が成立。ところが高知で敵無しの3戦3勝の戦績を挙げたのちに名古屋へ、そしてオリンピック乗馬入りの話を蹴って秋には南関東へと復帰している。

ユウセイ(別名:ホクセイ)(牡) 栗田武厩舎(大井) 1954年生まれ 静内産 父ハタカゼ 母スター(月友)
3歳(中央):3戦1勝(30.3万円)
4歳(中央):22戦6勝(264.5万円)
5歳(中央):17戦4勝(209.0万円)
6歳:金盃、大井記念、新春盃、スプリンターハンデ、オープン級3勝
7歳:新春盃3着。オープン級1勝
8歳(東海):東海桜花賞2着
9歳(道営):道営記念
10歳(道営):金杯道営記念2着
中央所属時代は、重賞だと1957年のクモハタ記念6着がせいぜい。頭打ちの状態だったが、地方入りするといきなり14キロ差の軽量を活かしてダイニコトブキを下す大金星を挙げる。その後も金盃、大井記念と大井の重賞を2勝し、その実力がホンモノであることを証明した。しかし7歳時は一転して苦しいシーズンとなり、8歳になると1月のうちに名古屋競馬へと転出。この年が第1回となった東海桜花賞で2着などしたのち、翌9歳には名をホクセイと変えて道営競馬へと渡る。ここでは道営記念を勝つなど立派に走り、けっきょく旧10歳までしぶとく現役を続けた。どうやら、その後は道内で種牡馬入りも果たしているようだ。

オウゴンラツキー(牡) 森田正一厩舎(大井) 1956年生まれ 出生地不明 父ラツキーパーク 母ミスヒロミツ(アブラール)アラブ血量42.96%
3歳:全日本アラブ争覇。
4歳:アラブチャンピオン、ホウセント記念
5歳:船橋記念3着、オープン級3勝
 アングロ・アラブといってもアラブ血量は3割を切る活躍馬も多い中、こちらは正真正銘のアラブ血量40%越えという珍しい馬である。センジユの天敵のような存在であり、センジユが出遅れた全日本アラブ争覇やハンデ差の大きかったホウセント記念を勝利。さらにはその勢いでアラブチャンピオンまで制してしまった。アラブ王冠賞となる以前のホウセント記念とアラブチャンピオンは日程がタイトなこともあり、同一年で連勝した馬はこの馬とトモスベビーのみとなる。

コンリユウ(牝) 木村万吉厩舎(船橋) 1955年 浦河産 父ライジングフレーム 母安麗(レヴユーオーダー)
5歳キヨフジ記念、クイーン賞川崎記念2着、ダイオライト記念3着
6歳:クイーン賞2着、川崎開設記念3着、オープン級1勝
通算:55戦15勝
 半兄に、1958年の金鯱賞を勝ったハタリユウ(1954年産・父クモハタ)がいる。牝馬限定重賞であるキヨフジ記念・クイーン賞――こちらはフアストクインとの同着だが――を、初めてどちらも同一年に制した女傑。さらには繁殖入りしてから、産駒のローレライ(1964年産・父トサミドリ)が母と同じく牝馬限定重賞完全制覇――桜花賞関東オークスキヨフジ記念、クイーン賞――を果たしている。

オータジマ(牡) 小暮嘉久厩舎(大井) 1955年生まれ 三石・前川敏秋氏生産 父トサミドリ 母ヒデヒカリ(ダイオライト)
3歳(中央):2戦0勝(11.4万円)
4歳(中央):東京障害特別。
5歳(中央)::啓衆社賞・最優秀最優秀障害馬中山大障害
中央通算:34戦14勝(733.1万円)
5歳:NTV盃、オープン級1勝
6歳:金盃2着、NTV盃3着
7歳:川崎記念2着、オープン級2勝
母ヒデヒカリは1948年の皐月賞を勝った名牝だが、南関東としてはイチヨシノの半姉と言った方が通るだろうか。中央時代は入障して本領を発揮し、350キロの小柄な馬体ながら見事中山大障害を制覇している。しかしなぜだかそのまま南関東入りすると、条件戦を3連勝で臨んだNTV盃でイチカントーを下し平地重賞勝利を果たした。その後は7歳時に記念すべき第1回オリンピック協賛競馬で、オンスロートを下す金星を挙げている。

セイショウ(牡) 田村勝男厩舎(大井) 1956年 出生地不明 父ハロウエー 母プリトモ(月友)
3歳(中央):5戦2勝(43.0万円)
4歳(中央):2戦0勝(12.0万円)
4歳:春の鞍、桜花賞3着、4歳特別1勝
5歳:ダイオライト記念2着、オープン級1勝
 小岩井牧場・プロポンチスの牝系。JBISに登録されているだけで6頭もの全兄弟がおり、その中には1961年の浦和ゴールドカップを勝ったハロートモ(1958年産)、1963年の全日本三歳優駿馬ハロユウ(1961年産)がいる。中央で7戦したのち、4歳3月に大井転入。特別戦を勝つと桜花賞で3着、そのまま尻上がりで春の鞍まで駆け上がった。

タカクラホマレ(牡) 所属不明 1954年 浦河産 父タカクラヤマ 母スルガ(方景)アラブ血量28.90%
5歳:秋の特別2着、ワード賞2着、アラブチャレンジャー2着、オープン級6勝
6歳:銀盃、秋の特別2着、アラブチャンピオン3着、オープン級4勝
 トモスベビーの半弟、リキスベビー・タカライザンの半兄。さすがにオープン級としてはそれなりの結果を出しているのだが、重賞では長らく惜しい着続き。ようやくこの年になって、ややメンバーが手薄だった銀盃で重賞初勝利。秋の特別でも2年連続となる2着している。

ナニワカブト(?) 所属不明 1956年 出生地不明 血統・アラブ血量不明
4歳:こがね賞、秋の特別3着、ワード賞3着、オープン級1勝、4歳特別1勝
 センジユらの裏に隠れていたが、3歳春にはすでにB〜C級の銀の鞍を2勝している。秋の特別でも3着すると、こがね賞ではバラテスタを下し重賞制覇を果たした。

タカラニシキ(?) 所属不明 1954年 出生地不明 血統・アラブ血量不明
4歳:4歳特別1勝
5歳:オープン級1勝
6歳:ワード賞、白百合賞2着、銀盃3着、オープン級3勝
 4歳時も特別を1勝するなどそれなりの馬だったが、本格化したのは5歳も終わりになってから。この年はワード賞でセンジユを下すなど、重賞戦線の主役として活躍した。

シヤチオー(牡) 栗田金吾厩舎(大井) 1955年 虻田産 父シーマー 母コマヒカリ(ハクリユウ)
3歳(中央):北海道3歳S。
4歳(中央):朝日チャレンジカップ2着、神戸盃2着、京都記念(秋)3着
5歳(中央):2戦0勝(8.0万円)
中央通算:24戦6勝(279.9万円)
5歳ダイオライト記念NTV盃2着、秋の鞍3着、オープン級2勝
6歳:川崎開設記念2着
 中央時代も、3歳の早い時期から重賞で好走を続けている。5歳冬の日経新春杯4着を最後に南関東入りすると、いきなりダイオライト記念を勝った。

<重賞レース全戦績>

日付 レース名 距離 条件 賞金(単位:万円) 勝ち馬 勝ち時計 騎手(斤量) 調教師(所属) 2着 3着
01.08 大井 新春盃 2400 サラ系ハンデ 80 ユウセイ(牡6) 2:35.8 鈴木冨(48) 栗田金吾(大井) ダイニコトブキ(3)*1 ヨシフサ(1)
01.16 浦和 ニューイヤーハンデ 1400 サラ系4歳ハンデ 50 オパールオー(牡4) 1:31.3 朝倉(55) 三坂博(大井) ミスオウゴン(アタマ) スマートノイチ(3)
01.25 船橋 ブルーバードカップ 1600 アラ系4歳牝馬別定 30 アジヤンタ(牝4) 1:46.3 荒山(54) 佐竹海治(船橋) ワイザートヒメ(1/2) ミスキンクン(アタマ)
02.01 大井 千鳥賞 1600 アラ系4歳牡馬別定 不明 センジユ(牡4) 1:45.4 佐々木正(54) 倉内種太郎(大井) アオヤギホマレ(1 1/2) ライジングホース(3)
02.08 川崎 開設記念 2600 サラ系ハンデ 100 イチカントー(牡7) 2:52.1 藤田安(53) 小暮嘉久(大井) オートネ(2 3/4) ヒロオー(ハナ)
03.03 大井 銀盃 2000 アラ系ハンデ 不明 タカクラホマレ(牡6) 2:11.1 柏木(56) 不明 ハルタカラ(2 1/2) タカラニシキ(1/2)
03.12 船橋 ダイオライト記念 1800 サラ系5歳ハンデ 60 シヤチオー(牡5) 1:52.4 武智(53) 栗田金吾(大井) キタノウイン(1) コンリユウ(1)
03.26 川崎 キヨフジ記念 2200 サラ系牝馬ハンデ 60 コンリユウ(牝5) 2:24.0 須田茂(52) 木村万吉(船橋) ヴアイオラ(3/4) ヒガシテラオー(アタマ)
04.01 浦和 桜花賞 1600 サラ系4歳別定 60 グローリーウイン(牡4) 1:45.2 荒山(55) 佐竹海治(船橋) ロビンオー(アタマ) セイシヨウ(ハナ)
04.10 大井 大井杯 1800 サラ系4歳別定 70 ハルセキト(牡4) 1:57.1 武智(55) 栗田金吾(大井) ダイニスター(2) キンテン(1/2)
04.29 大井 春の特別 1800 アラ系4歳別定 50 センジユ(牡4) 1:58.2 佐々木正(57) 倉内種太郎(大井) フラツトパンチ(2) マスホマレ(1)
05.08 大井 春の鞍 2000 サラ系4歳別定 120 セイシヨウ(牡4) 2:11.0 吉田(57) 田村勝男(大井) ハルセキト(アタマ) キングトツプ(2 1/2)
05.15 川崎 アラブチャレンジャー 1700 アラ系4・5歳ハンデ 不明 タチナミ(牡5) 1:50.2 荒山(57) 不明 センジユ(アタマ) ウイング(1 1/2)
06.10 船橋 船橋記念 1800 アラ系4・5歳ハンデ 45 センジユ(牡4) 1:55.0 須田茂(58) 倉内種太郎(大井) タチナミ(アタマ) イチフクトミ(2)
06.17 大井 大井記念 2400 サラ系ハンデ 90 ユウセイ(牡6) 2:37.3 鈴木冨(54) 栗田金吾(大井) ナンシーシヤイン(3) イチカントー(アタマ)
07.01 大井 ワード賞 2000 アラ系ハンデ 不明 タカラニシキ(牡6) 2:11.2 須田(55) 不明 センジユ(1 1/2) ナニワカブト(アタマ)
07.10 川崎 川崎記念 2200 サラ系ハンデ 不明 イチカントー(牡7) 2:23.1 長沢保(57) 小暮嘉久(大井) コンリユウ(4 1/2) オートネ(3 1/2)
07.26 浦和 ゴールドカップ 2000 サラ系4歳ハンデ 70 ハイナルビ(牡4) 2:13.0 長沢保(56) 小暮嘉久(大井) スーパーオウゴン(1 1/2) グローリーワイン(アタマ)
08.03 川崎 白百合賞 2200 アラ系ハンデ 不明 バラテスタ(牡6) 2:25.3 竹山(54) 佐竹梅治(船橋) タカラニシキ(アタマ) センジユ(ハナ)
08.23 船橋 NTV盃(開設記念) 2000 サラ系ハンデ 100 オータジマ(牡5) 2:05.3 赤間(48) 小暮嘉久(大井) イチカントー(4)*2 シヤチオー(3/4)
09.08 大井 金盃 2400 サラ系ハンデ 80 ユウセイ(牡6) 2:37.1 鈴木冨(56) 栗田金吾(大井) ナンシーシヤイン(アタマ) イチカントー(4)
10.07 船橋 クイーン賞 1800 サラ系牝馬ハンデ 60 フアストクイン(牝6) 1:55.3 鈴木冨(51) 栗田金吾(大井) コンリユウ(同着)*3 バレーカブト(2 1/2)
10.15 大井 秋の特別 2400 アラ系ハンデ 70 センジユ(牡4) 2:39.4 佐々木正(58) 不明 タカクラホマレ(1) ナニワカブト(3)
10.20 浦和 こがね賞 2000 アラ系ハンデ 不明 ナニワカブト(牡?6) 2:13.0 藤田安(53) 不明 バラテスタ(1) チヤンピオン(1/2)
11.01 川崎 全日本アラブ争覇 1500 アラ系3歳別定 不明 トワダホマレ(牡3) 1:40.1 赤間(54) 小暮嘉久(大井) タカラガワ(1) ヒロイチ(アタマ)
11.05 大井 秋の鞍 2600 サラ系ハンデ 150 ダンサー(牡6) 2:48.2 武智(50) 三坂博(大井) エータイム(3) シヤチオー(1/2)
11.11 船橋 平和賞 1200 サラ系3歳別定 50 オンスロート(牡3) R1:44.2 赤間(52) 田中九兵衛(大井) サンセイカツプ(2) サトリユウ(7)
12.10 川崎 全日本3歳優駿 1600 サラ系3歳別定 70 オンスロート(牡3) R1:41.4 赤間(54) 田中九兵衛(大井) サンセイカツプ(大・15馬身差) タカマガハラ(5)
12.15 大井 ホウセント記念 2000 アラ系4歳ハンデ 不明 オウゴンラツキー(牡4)*4 2:12.4 朝倉(55) 森田正一(大井) タカシヨウ(1) シンフクトミ(1)
12.31 川崎 アラブチャンピオン 2600 アラ系ハンデ 80 オウゴンラツキー(牡4)*5 2:56.1 朝倉(56) 森田正一(大井) ニツポンバレ(1) タカクラホマレ(3 1/2)

<オープン級レース全勝ち馬一覧>
サラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.22 大井 ウインターカップ 2000 サラ系 ヴアイオラ 2:10.1
01.28 船橋 金の鞍 1800 サラ系 ヒガシテラオー 1:54.2
02.01 大井 オープン特別 1800 サラ系 ナンシーシヤイン 1:56.2
02.15 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン 1:48.4
03.04 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン 1:48.0
03.18 川崎 A・B級特別 1700 サラ系 イチカントー 1:50.2
03.24 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン 1:49.3
04.12 大井 オープン特別 1700 サラ系 イチカントー 1:48.3
04.22 川崎 オープン特別 1700 サラ系 ユウセイ 1:51.2
04.29 大井 A・B級特別 1800 サラ系 ナンシーシヤイン 1:55.4
05.10 大井 オープン特別 1700 サラ系 オートネ 1:49.2
06.30 大井 オープン特別 1700 サラ系 シヤチオー 1:48.3
07.15 大井 中距離特別 1700 サラ系 ヒヤクマンドル 1:50.0
08.01 大井 オープン特別 1700 サラ系 イチカントー 1:48.1
08.15 大井 スプリンターハンデ 1400 サラ系 ユウセイ*6 1:28.3
09.27 大井 オープン特別 1700 サラ系 シヤチオー 1:48.3
10.02 川崎 オープン特別 1600 サラ系 オートネ 1:44.0
10.27 大井 オープン特別 1800 サラ系 オータジマ 1:56.0
12.03 大井 オープン特別 1800 サラ系 ユウセイ 1:54.3
12.10 川崎 A・B級特別 2000 サラ系 エータイム 2:09.1
12.17 大井 オープン特別 2000 サラ系 ユウセイ 2:09.2

●アラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.04 川崎 A・B級特別 1700 アラ系 オウゴンバラツケ 1:52.1
01.12 大井 オープン特別 1800 アラ系 ニツポンバレ 1:58.1
01.23 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.1
01.30 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ナニワカブト 1:56.0
02.05 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラニシキ 1:57.0
02.11 川崎 A・B級特別 2000 アラ系 トキノコエ 2:12.4
02.17 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラニシキ 1:58.0
02.23 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 トビバラ 1:44.2
03.01 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 トキノコエ 1:55.3
03.10 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ナニワカブト 1:57.0
03.15 川崎 A・B級特別 1700 アラ系 タチナミ 1:52.4
03.22 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:57.1
03.29 川崎 A・B1・2級特別 1700 アラ系 センジユ 1:53.1
04.08 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.0
04.13 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ハルタカラ 1:56.3
04.19 大井 A・B級特別 1700 アラ系 タカクラホマレ 1:51.4
05.07 大井 アラブ特別 1800 アラ系 タカクラホマレ 1:57.2
05.20 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:56.2
06.16 大井 オープン特別 1700 アラ系 タカクラホマレ 1:51.2
07.15 大井 オープン特別 1800 アラ系 スイートホウケイ 1:58.0
07.20 船橋 銀の鞍*7 1800 アラ系 バラテスタ 1:54.4
08.16 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカラニシキ 1:57.1
08.21 船橋 オープン 1800 アラ系 バラテスタ 1:55.2
08.27 大井 オープン特別 1700 アラ系 タチナミ 1:51.0
09.06 大井 オープン特別 1700 アラ系 タチナミ 1:51.0
09.21 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ナニワカブト 1:56.0
09.28 大井 オープン特別 1700 アラ系 センジユ 1:50.3
10.04 川崎 A・B級特別 1600 アラ系 バラテスタ 1:45.0
10.30 川崎 A・B級特別 1700 アラ系 チヤンピオン*8 1:51.4
11.08 大井 オープン特別 2000 アラ系 イチフクトミ 2:11.0
11.15 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカクラホマレ 1:58.0
11.24 浦和 オープン特別 1600 アラ系 モアナー 1:44.3
11.28 船橋 オープン特別 1800 アラ系 ニツポンバレ 1:56.4
12.06 大井 オープン特別 1800 アラ系 チヤンピオン 1:57.2
12.13 川崎 A・B級特別 2000 アラ系 ニツポンバレ 2:11.2
12.18 大井 オープン 1800 アラ系 イズマル 1:56.2

サラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.21 大井 4歳特別 1400 サラ系4歳 カチススム 1:30.4
02.02 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 スマートノイチ 1:39.1
03.04 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 デンユーキング 1:37.2
03.23 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 セイシヨウ 1:37.1
10.15 大井 3歳特別 1200 サラ系3歳 オンスロート*9 1:15.0
11.02 川崎 ローレルハンデ 1400 サラ系3歳 タカマガハラ 1:30.3

●アラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.12 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 センジユ 1:38.1
01.24 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 マスホマレ 1:40.4
02.06 川崎 4歳特別 1400 アラ系4歳 ニユーホウライ 1:34.8
02.14 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 センジユ 1:40.1
02.14 大井 4歳牝馬特別 1500 アラ系4歳牝馬 ハルセキト 1:38.0
02.28 船橋 銀の星 1600 アラ系4歳 フラツトパンチ 1:43.4
03.05 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 タカシヨウ 1:38.4
03.07 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 スズランキング 1:39.4
03.19 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 カネフミ 1:40.1
03.23 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 タカシヨウ 1:39.2
03.24 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ダイニタイコウ 1:39.2
03.29 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 パンステリー 1:41.4
04.09 大井 4歳特別 1600 アラ系4歳 タカシヨウ 1:45.0
04.16 船橋 4歳特別 1600 アラ系4歳 アジヤンダ 1:44.4
04.21 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 ライジングホース 1:39.4
10.02 川崎 ビクトリーハンデ 1400 アラ系3歳 タカラガワ*10 1:33.3
12.04 大井 3歳特別 1400 アラ系3歳 タカラガワ 1:30.4

*1:斤量62k

*2:斤量60k

*3:牝5、須田(58)、木村万吉(船橋

*4:センジユ5着(63k

*5:センジユ4着1 1/2 59k

*6:イチカントー2着(60k

*7:センジユ3着

*8:センジユ2着60k

*9:これで7戦7勝

*10:これで4戦4勝

1958年――アラブチャンピオン(トモスベビー)、秋の鞍(ダイニコトブキ)ほか

<1958年>
 この年は、浦和でニューイヤーハンデとゴールドカップが新設されている。元旦に施行された前者は濠サラの古豪・フアストロが勝ったが、こちらも翌年からは4歳限定戦に衣替え。現在まで続くニューイヤーカップとなった。また、従来はC級を中心に開催ごとの呼び物競走として行われていた川崎のダイヤモンドハンデが、この1月のみアラ系4歳の重賞競走として施行。明け4歳にしては重いの59キロのハンデが効いたのか、リキスベビーがテンパイに半馬身差敗れる波乱の結果となっている。それと、この年からゴールデンウエーブ記念がどう考えてもせいぜいB級からC1級といったメンツなのだけれど、JBIS上では重賞となっているので格下げとなっているのかは判断に迷うところ。全日本三歳優駿をステップに中央競馬へ転じて東京優駿を制覇した同馬を記念し、キヨフジ記念と対を成したサラ系牡馬限定のこのレースも、最終的に翌1959年が最後の施行となってしまった。

 昨年に引き続きトモスベビーはサラ系A級に挑戦し、一年を通じて重賞3戦を含む全13戦を立派に戦ってみせた。また、桜花賞、大井杯、春の鞍、ゴールドカップと、サラ系4歳重賞を完全制覇したコトブキノニが、そのまま秋の鞍も奪取。昨年のハツユキの春の鞍に続き、南関東プロパーがようやく秋の鞍を制覇している。そしてこの年で引退するトモスベビーとまるで入れ替わるように、いよいよ「戦後最大のアラブ」センジユがその姿を競馬場に現そうとしていた。

 なお、この年の8月を最後に南関東競馬から繋駕速歩競走が廃止されている。一応、関西が中心だった中央競馬のそれに対し船橋の繋駕は東日本一との声もあったらしいが……浦和と船橋の午前中に開催毎に数レースずつ組まれていたがメンバーはいつも同じ顔ぶれ――しかも開催2走は当たり前――、上級戦も金の鈴と特別戦を月に一回ほどのペースで繰り返すだけ。どうにも主催者側のやる気が感じられなかっただけに仕方ないか。繋駕速歩中央競馬でも1965年に中央場所からローカル開催へと追いやられ、最終的には1968年に全廃されることとなる。これを受けて生産者側がトロッターから撤退したことで、地方競馬でも――小頭数で番組編成が可能なことから、岩手や高知などで開催が続いていた――1971年の盛岡競馬場での施行を最後に繋駕速歩競走は完全に消滅してしまった。この一連の流れは、のちにアングロ・アラブ競馬が消滅への一歩を踏み出した際のそれと極めて酷似している。

<レース・メモリアル>
川崎開設記念 2月16日 川崎競馬場 サラ系ハンデ 距離:2200m 1着賞金:80万円
1枠1番 ○トモスベビー(牡6) 佐々木吉(54)
2枠2番 ◎イチカントー(牡6) 藤田安(60)
3枠3番  ラツキーマミー(牝6) 須田茂(53)
3枠4番  ヒロオー(牡7) 鈴木冨(50)
  5番 ×フアストロ(牡7) 中野(59) 前日取消
4枠6番 ▲ヨシフサ(牡7) 朝倉(51)
4枠7番 △オートネ(牡6) 鈴木進(56)
5枠8番  コスモライト(牡6) 長沢保(51)
5枠9番  ケンチカラ(牡7) 小筆(50)
6枠10番  イチヨシノ(牝8) 赤間(51)
6枠11番  ローヤルフアン(?) 佐藤勘(50)

 昨年末の大井開催ではイチカントーの3着に破れたトモスベビーだが、それでもサラ系オープンと十分にやりあえる証明にはなった。とすれば、陣営も中央のセイユウと並び立つべくサラ系重賞制覇を狙いたくなるのが人情というもの。年明け早々、トモスベビーは大井で1戦を叩いたのちに、得意の地元・川崎競馬場、開設記念へと歩を進める。

 フアストロこそ前日に取り消しとなったが、引き続きの対戦となる前年の秋の鞍馬イチカントーを始め、当時の南関東サラ系の錚錚たる優駿がこのレースに集結した。そんな中で、準サラながら中央でクモハタ記念まで勝ったヨシフサ――まあ、準サラといっても血量は1.95%のプリメロ産駒だが――やかつて春の鞍馬オートネを抑え、トモスベビーは堂々の2番人気に支持されたのである。……だがここは差しきれずに、イチカントーはもとより、2・3着のヨシフサ・オートネの2頭にも2馬身離された4着。その後はアラブ戦へと戻って銀盃に登録したが、ハンデは68キロと酷量ぶりは相変わらず。さらには直前に脚部不安を起こし出走取り消しとなってしまった。結局、ゴールデンウィーク明けから再びサラ系オープンを走ったが、毎回しっかりと伸びて好走するのだが、もう一息で勝ちきれずに2着が5回。重賞でも川崎記念でふたたびヨシフサの4着に敗れ、NTV杯では出遅れての10着と大敗している。それでもサラのA級と堂々と渡り合って2勝を挙げたのは立派であり、また良くも悪くもこの年の南関競馬はサラ・アラを問わずトモスベビーを中心に回っていたと言えるだろう。

<川崎開設記念 結果>
1着 2枠2番 イチカントー 2:21.4
2着 4枠6番 ヨシフサ 2 
3着 4枠7番 オートネ アタマ
4着 1枠1番 トモスベビー 2

アラブチャンピオン 12月19日 川崎競馬場 アラ系ハンデ 距離:2200m 1着賞金:80万円
1枠1番 ×ニツポンバレ(牡4) 小筆(51)
1枠2番  スイートホウケイ(牡4) 杉山(50)
2枠3番  タカラニシキ(?5) 佐々木正(52)
2枠4番 ○ハルタカラ(牡5) 武智(57)
3枠5番 ◎トモスベビー(牡6) 勝又衛(63)
3枠6番  ホウシユウオー(?) 田中儀(50)
4枠7番 ▲サイドワインダー(?) 荒山(50)
4枠8番 △タカクラホマレ(牡5) 柏木(57)
5枠9番  テンパイ(牡4) 永田(54)
5枠10番  トキノコエ(牡5) 河津(49)
6枠11番  イチタカシオ(牡5) 竹山(51)
6枠12番 △トビバラ(?) 佐々木国(49)

 そして12月半ばの川崎競馬場、年内での引退・種牡馬入りが決定していたトモスベビーは、現役最後のレースとして川崎のアラブチャンピオンを選択する。前走大井のサラ系オープンで着外に沈んでおり、またもともと川崎のハンデキャッパーは大井よりも軽めに付けるのが通例。斤量は63キロと軽めで済んだ。地元ファンの大観衆に応えるべく、今度ばかりは絶対に取りこぼせないトモスベビーは、珍しく前々に付けると3コーナー入り口ではもう先頭へ。余力たっぷりにホウセント記念馬ニツポンバレ以下を2馬身千切り、見事に引退レースを勝利で飾った。ちなみにこのレースでの加算により、トモスベビーはタイカン以来二頭目となる獲得賞金1000万円アラブとなっている。

 種牡馬としては、自身の戦績と同じく4歳春までに本格化したのち、しぶとく長く活躍するタイプを多く輩出した。代表産駒に1977年の優駿賞最優秀アラブを受賞したミサキシンボル(1973年産・母フラツトホープ[ハマノオー])、父と同じく三潟氏に管理され勝ち星のほぼ全てが川崎でのものというフラツトポール(1964年産・母パンステリー[トシハヤ])などが挙げられるが、なによりもフランスの至宝とさえ謳われたエルシド最良の後継である大種牡馬・スカレーの母父として、多くの名アラブの血統表にひっそりとその名を残している。

<アラブチャンピオン 結果>
1着 3枠5番 トモスベビー 2:25.2
2着 1枠1番 ニツポンバレ 1
3着 2枠4番 ハルタカラ 1/2
4着 4枠8番 タカクラホマレ ハナ
5着 6枠12番 トビバラ 3 
単勝:280円 複勝130円 140円 130円 6枠連単:970円

トモスベビー(牡) 三潟隆五郎厩舎(川崎) 1953年生まれ 浦河産 父トシシロ 母スルガ(方景)アラブ血量28.90%
3歳:全日本アラブ争覇2着、3歳特別1勝
4歳:アラブチャンピオン、ワード賞、アラブチャレンジャー、ホウセント記念、秋の特別2着、春の特別3着、オープン級3勝、4歳特別2勝
5歳:川崎開設記念(アラ系)、ワード賞、アラブチャレンジャー、新春ハンデ、白百合賞2着、船橋記念2着、サラ系A2級以下1勝、アラ系オープン級3勝
6歳:アラブチャンピオン、川崎開設記念(サラ系)4着、川崎記念4着、サラ系オープン級2勝
通算:59戦31勝 1037.5万円
内対サラ系19戦7勝 2着6回3着2回

ヨシフサ(牡) 廿楽長市郎厩舎(大井) 1952年生まれ 青森県産 父プリメロ 母ヨシカツ(ダイオライト)アラブ血量1.95%
3歳(中央):4戦1勝(20.5万円)
4歳(中央):クモハタ記念、中山4歳S2着
5歳(中央):安田賞、日本経済賞2着、東京盃3着、金杯(中山)3着、中山改築記念3着
6歳(中央):1戦0勝(5万円)
中央通算:42戦7勝(418.5万円)
6歳:ゴールデンウエーブ記念、オープン級2勝
7歳:金盃、川崎記念川崎開設記念2着、大井記念2着、秋の鞍3着、オープン級5勝
8歳:新春盃3着

ニツポンバレ(牡) 森田正一厩舎(大井) 1955年生まれ 出生地不明 血統・アラブ血量不明
4歳:ホウセント記念、アラブチャンピオン2着、こがね賞2着、オープン級1勝
5歳:アラブチャンピオン2着、オープン級3勝
6歳:秋の特別2着、アラブチャンピオン2着、銀盃3着、こがね賞3着、オープン級2勝

ハルタカラ(牡) 所属不明 1954年生まれ 出生地不明 父ホウシユウ 母ミスカブト(バラツケー)アラブ血量31.60%
5歳:ワード賞、こがね賞、アラブチャンピオン3着、オープン級1勝
6歳:銀盃2着、オープン級1勝
7歳:白百合賞、オープン級3勝

テンパイ(牡) 八木正雄厩舎(川崎) 1955年生まれ 出生地不明 父トキノハナ 母勝盃(ニグリス)アラブ血量不明
4歳船橋記念、ダイヤモンドハンデ、春の特別2着、白百合賞2着、ワード賞3着、ホウセント記念3着、オープン級2勝

●秋の鞍 11月1日 大井競馬場 サラ系ハンデ 距離2600m 1着賞金150万円
1枠1番 ▲フブキオー(牡5) 長沢保(48)
2枠2番 ○ダイニコトブキ(牡4) 須田(58)
3枠3番  タイガー(牡4) 加藤弘(47)
4枠4番  シーマタイガー(牡5) 荒山(49)
4枠5番 ◎ヨシフサ(牡7) 朝倉(61)
5枠6番  イチハツワカ(?) 石島(49)
5枠7番 △オートネ(牡6) 武智(54)
6枠8番 ×ナンシーシヤイン(牡7) 高岩(54)
6枠9番  フアストライト(牡4) 藤田宏(47)

 船橋の名門・出川己代造厩舎が昭和30年代に擁したのが、「コトブキ」名を冠したコトブキ軍団の名馬たちである。そしてその最初の活躍馬こそが、サラ系の名牝・ミラの末裔であるこのダイニコトブキだった。

 だけれども、ダイニコトブキはデビュー当初はそれほど目立っていたわけではない。3歳時は8戦して下級条件戦を2勝したのみ。ちょうど重賞戦線でダイゴホマレが無双を続けていたころ、ダイニコトブキは平凡な条件馬に過ぎなかった。もしもこの頃からダイニコトブキがその力を全て発揮していたなら、ダイゴホマレは無敗というわけにはいかなかったかもれない。一方で、もしそうだったならばダイニコトブキも、4歳時には東京優駿を目指して中央へと早々に転出してしまった可能性もある。そのあたりはまあ、世の中うまくできているものだ。

 さて、翌1月半ばの川崎開催で1000m戦をレコード勝ちしたところから、はっきりと馬の様子が変わり始める。2月頭の大井で特別戦でも初勝利を挙げると、秋の金盃でヨシフサに破れ連勝が8で止まるまで、4歳相手では桜花賞・春の鞍・ゴールドカップと無敗、地元の開設記念相当・NTV杯も古馬相手に楽勝を決める。そして南関東出身馬初の秋の鞍制覇を目指して、この大一番・秋の鞍へと歩を進めてきた。ここでも金盃で敗れたヨシフサ以外はたいした相手もおらず、2番人気となっている。

 ふだんは好位からの競馬のダイニコトブキだけれど、この日はいつも通りオートネが先手を取ろうというのを内から強引に突っぱね逃げる。そして相変わらず須田茂の逃げの巧さ、ゆったりとペースを落として逃げ込みをはかり、ドスローからそのままあっぱれ技あり。その後は年内にもう1戦し、17戦15勝という完璧な数字でこの年を締めくくった。

 もはや、南関東サラブレッドに敵はいない。翌春早々、いよいよダイニコトブキは、天皇賞を目指して中央競馬へと転出していった。だが芝が合わなかった上に早々に故障したこともあり、この挑戦は3戦0勝と期待ハズレの成績で終わってしまう。結局5歳後半・6歳は全休しており、ようやく7歳になったころに失意のうちに船橋の古巣へと戻っている。けれども、恩師・出川調教師の熱意もあって往時の力を取り戻したのか、B級の特別戦を2勝、さらには秋の鞍で2着。翌年には地元・船橋ダイオライト記念を勝利し、見事に8歳での重賞制覇を果たした。

 引退後は種牡馬入りしたが、ただでさえ南関東競馬出身のサラブレッド、さらに準サラ・ミラの血統は致命的だった。せいぜい繋養先の静内・土肥牧場から、地方での勝ち上がり馬を数頭出したに留まっている。

<結果>
1着 2枠2番 ダイニコトブキ 2:49.2
2着 5枠7番 オートネ 2
3着 4枠5番 ヨシフサ 1 1/2
4着 6枠8番 ナンシーシヤイン 1
5着 1枠1番 フブキオー 6 

ダイニコトブキ(牡) 出川己代造厩舎(船橋) 1955年生まれ 浦河産 父シマタカ 母メイヂー(大鵬)
3歳:8戦2勝
4歳:春の鞍、秋の鞍、大井盃、ゴールドカップ、NTV杯、金盃2着、オープン級2勝、4歳特別1勝
5歳:新春盃2着
5歳(中央):3戦0勝(9.2万円)
7歳:大井記念秋の鞍2着、ダイオライト記念2着、オープン級1勝
8歳:ダイオライト記念オープン級1勝
通算:59戦19勝 1756.7万円

<そのほか有力馬>
ヴアイオラ(牝) 佐竹海治厩舎(船橋) 1954年生まれ 三石産 父ヴイーノーピユロー 母ピナクル(Sir Gallahad)
3歳(中央):12戦5勝(115.5万円)
4歳(中央):14戦4勝(100.8万円)
5歳ダイオライト記念キヨフジ記念、オープン級1勝
6歳:ウィンターカップ、ダイヤモンドハンデ、キヨフジ記念2着
父がヴイーノーピユロー、さらに繁殖入り後の相手がパールダイヴアー――1957年、白井新平が1万ポンドで輸入。本邦で初めて供用された英ダービー馬――ばかり、かつその出生地も苫小牧なことから、白井新平の持ち馬でないかと思われる。馬主会の役員をやっていた船橋競馬の所属だしね。中央では中堅どころといった成績で終わったが、この年南関入りするとダートに水があったのか8連勝でダイオライト記念キヨフジ記念を勝った。代表産駒に、まさしく第1回の東京オリンピック記念を勝ったロイヤルナイト(中央名バンダル。1960年産・父パールダイヴアー)がいる。

ヒガシテラオー(牝) 青野四郎厩舎(川崎) 1953年生まれ 浦河産 父プリメロ 母ツキノボル(月友)
4歳(中央):七夕賞オータムH、毎日王冠2着、クイーンS2着
5歳(中央):安田賞3着
中央通算:45戦10勝(514.8万円)
6歳クイーン賞
7歳:キヨフジ記念3着、オープン級1勝
 三代母の基礎牝馬ステファニアは、黎明期の南関東競馬で走って136戦35勝、種牡馬としてダイサンコトブキ(1957年産・母嶋城[ダイオライト])を輩出したトシハヤを出している。また、半弟マスミノル(1966年産・父テッソ)はそのベンドア斑から世にも珍しい「粕鹿毛」と毛色登録され、「汚い馬」とも揶揄されながらも降雪のためダート変更となった泥だらけの東京新聞杯を制してみせた。オークスで7着などクラシックにこそ縁が薄かったが、その後はオープン級の牝馬としては上々の戦績。南関東に転じてからもクイーン賞を勝っている。繁殖としても成功し、東京王冠賞馬ヒガシシーロ(1962年産・父ガルカドール)、1967年の東京大賞典であのヒカルタカイを破ったヒガシジヨオー(1963年産・父フェリオール)などを産んだ。

キンテン(牡) 栗田金吾厩舎(大井) 1956年生まれ 出生地不明 父フルブルーム 母ミンドウオシ(ミンドアー)
3歳:平和賞
4歳:大井杯3着
 平和賞を6戦無敗で制覇するも、どういうわけかその後は失速。せいぜい、大井杯での3着が目立つ程度に終わった。1934年の第1回大障碍特別(中山大障害の前身)の勝ち馬も同名異馬(1929年産・父ブラツクスミス 母華栄)。

<重賞レース全戦績>

日付 レース名 距離 条件 賞金(単位:万円) 勝ち馬 勝ち時計 騎手(斤量) 調教師(所属) 2着 3着
01.01 浦和 ニューイヤーハンデ 2000 サラ系ハンデ 50 フアストロ(牡7) 不明 鈴木進(59) 栗田金吾(大井) キタノプレツシヤー 不明
01.08 大井 新春盃 2400 サラ系ハンデ 不明 イチカントー(牡6) 2:35.3 藤田安(60) 小暮嘉久(大井) ナンシーシヤイン(ハナ) オートネ(2 1/2)
01.16 川崎 ダイヤモンドハンデ 1600 アラ系4歳ハンデ 不明 テンパイ(牡4) 1:47.4 八木正(54) 不明 リキスベビー(1/2)*1 タケホマレ(4)
02.09 大井 千鳥賞 1600 アラ系4歳定量 不明 リキスベビー(牡4) 1:45.1 佐々木吉(55) 三潟隆五郎(川崎) タチナミ(8) オーセナミ(1)
02.16 川崎 開設記念 2200 サラ系ハンデ 80 イチカントー(牡6) 2:21.4 藤田安(60) 小暮嘉久(大井) ヨシフサ(2) オートネ(アタマ)
02.23 船橋 ブルーバードカップ 1600 アラ系4歳牝馬定量 35 モアナー(牝4) 1:43.4 須田茂(53) 木村万吉(船橋) ビツクヒメ(大) タカハル(1)
03.05 船橋 ダイオライト記念 1800 サラ系4・5歳ハンデ 60 ヴアイオラ(牝5) 1:54.4 須田茂(60) 佐竹海治(船橋) ハツピーゴールド(1/2) ボストン(1)
03.12 大井 銀盃 2000 アラ系ハンデ 不明 バラテスタ(牡5) 2:12.4 須田茂(63) 佐竹梅治(船橋) オウゴンバラツケ(1) シズナイオー(1 1/2)
03.18 川崎 キヨフジ記念 2000 サラ系牝馬ハンデ 50 ヴアイオラ(牝5) 2:10.0 荒山(58) 佐竹海治(船橋) チエリー(3) イチヨシノ(3/4)
04.01 川崎 アラブチャレンジャー 1700 アラ系4・5歳ハンデ 不明 リキスベビー(牡4) 1:52.4 佐々木吉(56) 三潟隆五郎(川崎) タカクラホマレ(1 1/2) バラテスタ(1)*2
04.14 浦和 桜花賞 1600 サラ系4歳定量 60 ダイニコトブキ(牡4) 1:44.1 須田茂(52) 出川己代造(船橋) カツミナミ(アタマ) シンデン(7)
04.23 大井 大井盃 1800 サラ系4歳定量 不明 ダイニコトブキ(牡4) 1:57.0 須田茂(57) 出川己代造(船橋) カツミナミ(3/4) ミツワ(1 1/2)
05.01 大井 春の特別 1800 アラ系4歳定量 不明 イチフクトミ(牡4) 1:58.3 小筆(57) 森田正一(大井) テンパイ(1/2) ビツクヒメ(ハナ)
05.15 大井 春の鞍 2000 サラ系4歳 120 ダイニコトブキ(牡4) 2:10.3 須田茂(57) 出川己代造(船橋) オーニシキ(2) キタカントー(1 1/2)
06.25 大井 大井記念 2400 サラ系ハンデ 90 オートネ(牡6) 2:35.0 須田茂(54) 栗田金吾(大井) ヨシフサ(アタマ) ユウチヨウ(1/2)
07.01 船橋 船橋記念 1800 アラ系4・5歳ハンデ 45 テンパイ(牡4) R1:54.1 永田(54) 八木正雄(川崎) スイートホウケイ(1/2) オウゴンバラツケ(ハナ)
07.15 川崎 川崎記念 2200 サラ系ハンデ 90 ヨシフサ(牡7) R2:20.2 朝倉(59) 廿楽長市郎(大井) オートネ(5) ヒロオー(3/4)
07.20 大井 ワード賞 2000 アラ系ハンデ 不明 ハルタカラ(牡5) 2:10.4 武智(51) 不明 タカクラホマレ(2) テンパイ(2)
08.05 浦和 ゴールドカップ 2000 サラ系4歳ハンデ 70 ダイニコトブキ(牡4) 2:11.2 須田茂(60) 出川己代造(船橋) ユスチニアヌス(1 1/2) バイラツク(2 1/2)
08.10 川崎 白百合賞 2200 アラ系ハンデ 不明 ハルタカラ(牡5) R2:22.4 武智(53) 不明 テンパイ(4 1/2) タチナミ(4)
08.17 船橋 NTV盃 2000 サラ系ハンデ 75*3 ダイニコトブキ(牡4)*4 2:06.0 須田茂(54) 出川己代造(船橋) カブト(1 1/2) ハツピーゴールド(2)
09.24 大井 金盃 2400 サラ系ハンデ 80 ヨシフサ(牡7) 2:35.4 朝倉 廿楽長市郎(大井) ダイニコトブキ(4) ナンシーシヤイン(ハナ)
10.01 大井 秋の特別 2400 アラ系ハンデ 不明 タカトシ(牡5) R2:38.2 朝倉(55) 廿楽長市郎(大井) タカクラホマレ(3) タチナミ(1 1/2)
10.28 船橋 平和賞 1200 サラ系3歳定量 45 キンテン(牡3) 1:15.4 鈴木冨(52) 栗田金吾(大井) ラセーヌ(アタマ) ヨロイアイゼン(1 1/2)
11.01 大井 秋の鞍 2600 サラ系ハンデ 150 ダイニコトブキ(牡4) 2:49.2 須田茂(58) 出川己代造(船橋) オートネ(2) ヨシフサ(1 1/2)
11.05 船橋 クイーン賞 1800 サラ系牝馬ハンデ 60 ヒガシテラオー(牝6) 1:54.0 佐々木吉(57) 青野四郎(川崎) サザナミ(ハナ) ミスカオル(アタマ)
11.19 川崎 全日本アラブ争覇 1500 アラ系3歳定量 不明 オウゴンラツキー(牡3) 1:38.3 朝倉(53) 森田正一(大井) フジテル(1 3/4) シヨウエイ(1/2)
11.20 川崎 全日本3歳優駿 1500 サラ系3歳定量 60 カチススム(牡3) 1:38.0 内田秋(54) 秋谷元次(大井) オパールオー(1 3/4) スマートノイチ(1)
11.26 浦和 こがね賞 2000 アラ系ハンデ 不明 ハルタカラ(牡5) R2:12.0 武智(55) 不明 ニツポンバレ(3) トビバラ(1)
12.19 川崎 アラブチャンピオン 2200 アラ系ハンデ 80 トモスベビー(牡5) 2:25.2 勝又衛(63) 三潟隆五郎(川崎) ニツポンバレ(1) ハルタカラ(1/2)
12.25 大井 ホウセント記念 2000 アラ系4歳ハンデ 40 ニツポンバレ(牡4) 2:12.1 小筆(57) 森田正一(大井) ウイング(1 1/2) テンパイ(1)

<オープン級レース全勝ち馬一覧>
サラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.19 大井 オープン特別 1800 サラ系 ナンシーシヤイン 1:56.2
01.26 船橋 金の鞍 1800 サラ系 ユウチヨウ 1:53.1
02.02 浦和 浦和記念 2000 サラ系 ラツキーマミー 2:13.0
02.08 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン*5 1:48.0
03.01 大井 オープン特別 1800 サラ系 イチカントー R1:53.2
03.09 大井 オープン特別 1700 サラ系 イチカントー 1:47.1
03.16 川崎 オープン特別 2000 サラ系 ヒロオー 2:07.4
03.24 浦和 浦和記念 2000 サラ系 ヴアイオラ 2:12.0
03.30 大井 オープン特別 1800 サラ系 ヒロオー 1:55.2
04.06 川崎 短距離特別 1600 サラ系 トモスベビー 1:42.1
04.10 船橋 金の鞍 1800 サラ系 ブゼントシユキ 1:53.2
04.16 浦和 浦和記念 2000 サラ系 イチヨシノ 2:16.2
05.01 大井 中距離特別 2000 サラ系 シーマタイガー 2:10.0
05.04 大井 オープン特別 2000 サラ系 ヨシフサ*6 2:07.4
05.11 川崎 A・B級特別 1700 サラ系 トモスベビー 1:49.2
05.15 大井 オープン特別 1800 サラ系 ヨシフサ 1:54.4
05.21 船橋 金の鞍 1800 サラ系 ラツキーマミー 1:53.0
06.01 大井 オープン特別 1800 サラ系 ヨシフサ*7 R1:53.1
06.15 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン*8 1:47.4
07.07 大井 中距離特別 2000 サラ系 ヒロオー 2:09.2
07.22 大井 短距離特別 1400 サラ系 カブト*9 1:28.1
07.27 浦和 浦和記念 2000 サラ系 オーエスケー 2:09.3
08.02 大井 オープン特別 1700 サラ系 ヨシフサ 1:50.0
09.06 大井 オープン特別 1700 サラ系 ダイニコトブキ 1:48.2
10.05 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン*10 1:48.1
10.10 船橋 金の鞍 1800 サラ系 コスモライト 1:52.3
10.21 川崎 オープン特別 1700 サラ系 トキノパレード*11 1:50.1
12.01 大井 オープン特別 1800 サラ系 ヨシフサ*12 1:54.3
12.17 川崎 A・B級特別 1700 サラ系 ダイニコトブキ 1:49.3
12.24 大井 オープン特別 1700 サラ系 ナンシーシヤイン 1:48.4

●アラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.06 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:46.2
01.12 大井 A級特別 2000 アラ系 フジミナト 2:11.0
01.18 川崎 A級特別 2000 アラ系 フジミナト 2:12.2
01.24 大井 オープン特別 1800 アラ系 プラトー 1:56.3
02.05 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:45.4
02.11 大井 オープン特別 1800 アラ系 バラテスタ 1:57.4
02.17 川崎 A級特別 2000 アラ系 シズナイオー 2:12.3
02.25 大井 オープン特別 1700 アラ系 タカトシ 1:50.3
03.02 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 バラテスタ 1:56.3
03.25 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 シズナイオー 1:46.0
03.30 大井 中距離特別 2000 アラ系 オウゴンバラツケ 2:12.1
04.05 川崎 短距離特別 1600 アラ系 トシカゼ 1:45.1
04.11 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 タカクラホマレ 1:57.1
04.15 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タツクオー 1:46.3
04.20 大井 短距離特別 1400 アラ系 バラテスタ*13 1:30.0
05.03 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:57.4
05.08 川崎 A・B1級特別 1700 アラ系 シズナイオー 1:51.3
05.13 大井 A・B級特別 2000 アラ系 タカクラホマレ 2:12.1
05.20 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:55.3
05.28 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 エゾニシキ 1:46.3
06.03 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.0
06.10 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 バラテスタ 1:46.1
06.17 大井 オープン特別 1700 アラ系 オウゴンバラツケ*14 1:51.0
06.22 川崎 オープン特別 1600 アラ系 タカクラホマレ 1:43.4
06.29 大井 オープン特別 1800 アラ系 ホウシユウオー 1:53.0
07.12 川崎 オープン特別 1700 アラ系 タカクラホマレ 1:52.0
07.24 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タツクオー 1:35.4
08.01 大井 オープン特別 1700 アラ系 タカクラホマレ 1:51.2
08.19 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 シゲヒカリ 1:57.2
08.24 大井 オープン特別 1700 アラ系 タカラニシキ 1:51.2
09.03 大井 オープン特別 1700 アラ系 テンパイ 1:51.2
09.06 大井 中距離特別 1800 アラ系 ミナトバラツケー 1:58.2
09.18 川崎 オープン特別 1700 アラ系 タカトシ 1:50.1
09.21 大井 短距離特別 1400 アラ系 タチナミ 1:30.2
10.14 浦和 栄冠賞 1800 アラ系 ハルタカラ 1:44.2
10.24 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 タカトシ R1:53.1
11.03 大井 A・B級特別 1700 アラ系 テンパイ R1:49.2
11.14 大井 オープン特別 1800 アラ系 不明 不明
11.19 川崎 オープン特別 1700 アラ系 タカクラホマレ 1:52.0
11.30 大井 A・B級特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:58.2
12.09 大井 オープン特別 1800 アラ系 ニツポンバレ 1:56.3
12.23 大井 オープン特別 1800 アラ系 オウゴンバラツケ 1:57.1

サラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
02.06 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 ダイニコトブキ 1:44.0
02.27 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 ミツワ 1:44.1
03.10 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 ブロード 1:45.3
03.26 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 キタカントー 1:46.1
10.19 川崎 ローレルハンデ 1400 サラ系3歳 キンテン 1:31.3
12.22 大井 3歳特別 1400 サラ系3歳 キングミラー 1:30.0

●アラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.12 大井 4歳特別 1400 アラ系4歳 ビツクヒメ 1:31.4
02.08 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 チヤペルロード 1:40.1
02.13 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 ダイゴヒカリ 1:41.8
02.18 船橋 銀の星 1600 アラ系4歳 タカシオー 1:44.0
03.01 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ニユーヒカリ 1:39.2
03.07 船橋 銀の星 1600 アラ系4歳 モアナー 1:42.3
03.09 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ライオー 1:41.8
03.11 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 リキスベビー 1:38.2
03.16 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 タカハル 1:39.2
03.17 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 キンバレン 1:40.0
03.28 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ダイダワン 1:41.1
04.04 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 オーセカイ 1:40.4
04.08 船橋 銀の星 1600 アラ系4歳 ミスターマンペイ 1:45.2
04.20 大井 4歳特別 1700 アラ系4歳 スイートホウケイ*15 1:53.8
04.23 大井 4歳特別 1700 アラ系4歳 イチフクトミ 1:54.1
04.29 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 ホシウインザー 1:39.4
05.03 大井 4歳牝馬特別 1700 サラ系4歳牝馬 タークスクイン 1:51.2
10.20 川崎 ビクトリーハンデ*16 1400 アラ系3歳 センジユ*17 1:32.2
11.08 船橋 金の星 1200 アラ系3歳 アオヤギホマレ 1:16.4
12.07 船橋 3歳特別 1500 アラ系3歳 アオヤギホマレ 1:37.1

●アラ系障害

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.17 川崎 紅ばら賞 2700 アラ系障害 ヤマツバサ 3:15.2
06.23 川崎 オープン特別 2700 アラ系障害 クラマヤマ 3:10.2
08.28 川崎 障害特別 2500 アラ系障害 オオヤギ 3:04.0

●繋駕

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.04 浦和 特別 2000 繋駕 トシキング 3:29.0
01.25 船橋 金の鈴 2400 繋駕 トシキング 4:10.0
01.31 浦和 特別 2000 繋駕 チバフジヒメ 3:35.8
02.18 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスニユータイム 4:06.2
03.02 船橋 金の鈴 2400 繋駕 アイオワ 4:09.2
03.22 浦和 特別 2000 繋駕 トシキング 3:40.3
04.07 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスニユータイム 4:05.3
04.12 浦和 特別 2000 繋駕 マツクスホール 3:29.2
05.19 船橋 金の鈴 2400 繋駕 アイオイ 3:56.2
05.24 浦和 特別 2000 繋駕 ワイズテアリア 3:27.0
06.07 浦和 特別 2000 繋駕 ミスニユータイム 2:27.1
06.30 船橋 金の鈴 2400 繋駕 グツトホープ 4:00.2
07.23 浦和 特別 2000 繋駕 キングサラトガ 3:28.6
08.14 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスワカクサ 4:02.4

*1:斤量59k

*2:斤量62

*3:付加賞金25

*4:トモスは出遅れて10着

*5:トモス2着

*6:トモス2着

*7:トモス2着

*8:トモス2着

*9:トモス3着

*10:トモス2着

*11:トモス2着

*12:トモス着外

*13:リキス4着

*14:オーゴンバラツケ表記

*15:スヰートホウケー表記

*16:2着オウゴンラツキーは川崎1000mレコードホルダー

*17:これで2戦2勝

1957年――全日本アラブ争覇(リキスベビー)、オールカマー障害特別(タイカン)ほか

<1957年>
 4歳・5歳が覇を決するのにはさすがに時期が早すぎたアラブチャレンジャーが秋季に移動したほかは――まあ、来年はまた春に戻るのだけれど……――、若干の施行距離の変更を除いて重賞体系に大きな変化はない。制度導入3年目にして、ようやくひと段落といったところか。また特筆すべき点として、この年は出走表にフクパーク・キノピヨの名がそれぞれ1回ずつ確認できる。以前このブログでは96戦62勝としたフクパークの戦績だが、じつは地全協が出している『地方競馬史』の第5巻のコラムでは、102戦63勝という数字が引かれている。おそらく園田なり南関なりで走っているだろうとは思っていたのだけれど――だけど、当時はもうその先まで全部悉皆する気力がなかったんですよ!――、これがそうだとしたら面白い。もっとも、戦績はどちらも着外で終わっているのだが。

 第三回にしてようやく春の鞍を南関東生え抜きが勝ち、フアストロやミツドフアームの復帰もあったが、この年は出走可能なサラ系古馬重賞8個のうち、秋の鞍を含む4つを制したイチカントーがサラ戦線の中心。またアラブでも春の特別をオウゴンバラツケとの激戦の末に制したバラテスタが躍進し、重賞5勝を挙げている。しかしなにより、中央競馬であのセイユウセントライト記念オールカマーサラ系の超一流馬相手に一歩も引かなかったのと時を同じくして、60キロ台後半の斤量が常態化していたトモスベビーがいよいよサラ系C1級へ参戦。アラブのサラ系挑戦のパイオニアたるホウセント・フクパークをはじめ、オマタドロツプス、ホースニユース、ダイゴ、ダイゴカゲミツらの追随者も進んでB1級までがせいぜい。ところがトモスベビーは12月16日の大井競馬にて、サラ系A2・B1級戦を見事に快勝してみせたのだ!年内の対サラ系戦績は6戦5勝3着1回という、ほとんど完ぺきなものであった。

 また、3歳戦ではダイゴホマレ、リキスベビーという抜けた存在がそれぞれ席巻。しかしアラ系障害についてはA・B級馬でのレース編成がほとんどなくなり、一時の冬の時代を迎えている。川崎の紅ばら賞が重賞として施行されたのもこの年が最後となったが、そんな中でも古豪・タイカンがその長い現役生活に最後の花を添える活躍を見せてくれた。

<レース・メモリアル>
紅ばら賞 1月10日 川崎競馬場 アラ系障害ハンデ 距離2700m 1着賞金:不明
1枠1番 ○タイカン(牡9) 鶴出誠(58)
2枠2番  マーベル(牝9) 高松(52)
3枠3番 ◎ダイゴ(牡8) 柏木(64)
4枠4番 ×ヤマハルオ(?) 杉村(60)
5枠5番 △アーリーホース(?) 永田(52)
6枠6番  カネマサ(牡8) 山口進(51)
6枠7番  ミヤヒカリ(?) 平山久(52)

オールカマー障害特別 6月17日 川崎競馬場 オールカマー障害ハンデ 距離2700m 1着賞金:不明
1枠1番 ◎ハンターヒル(牡7) 河津(56)
2枠2番 ×ヒシマサ(牡7) 照沼(57)
3枠3番 ▲ダイワオー(?) 平山(57)
3枠4番  アーリーホース(?) 永田(50)
4枠5番 ○サクタカ(牡6) 田島(57)
4枠6番  タカナス(牝9) 横山登(50)
5枠7番  ナスノキンキ(牡6) 大津(53)
5枠8番 △タイカン(牡9) 鶴田誠(57)
6枠9番  トキノサチ(?) 三橋(53)
6枠10番  シマレビオー(?) 海方(56)

 1953年の夏には、ホウセントの戦績表にタイカンの名は現れている。当時4歳の1949年生まれ、この年にはすでに旧9歳という超高齢馬である計算だ。だが、一貫して南関アラブのA級戦線に名を連ね、幾多の名馬らとしのぎを削り渡り合ってきたこの老強者の力を、そんじょそこらの馬と同一視してはいけないのだろう。引退直前、タイカンは障害で見事に最後の花道を飾る。

 すでに前年から入障しオープン級でも1勝を挙げていたが、この年になってますます飛越に磨きがかかった。まずは年頭の川崎が誇った障害重賞・紅ばら賞にて、過去この重賞を2勝しているヤマハルオや平地の超A級馬・ダイゴをぶっちぎるレコードでの大勝を決める。その後はアラ系障害のA級戦がほとんど編成されなかったこともあり平地を中心に走ったが、6月の川崎競馬場にて、川崎好みの企画競走としてオールカマーでの障害特別戦が実現した。南関東ではサラ系障害は前年4月に川崎で下級条件戦が一鞍組まれただけで全廃状態であったけれど、ここにはまさしく昔取った杵柄で中央時代に障害経験のあるサラブレッドたちが集結。サクタカ、ダイワオーは中央時代に障害特別で勝ち星があるほか、やや実績では劣るが平地で近走好調のハンターヒルが一番人気に押されている。そうしたサラブレッド10頭に相対するアラブ4頭の総大将として、タイカンはこのレースに臨む。道中は好位追走、そして第四障害を華麗に飛越するとその勢いで先頭にたつ。あとは平地のスピード能力でもまったくひけを取らないまま、一気にゴールまで逃げ切ってしまうのだった。

 タイカンの牝系を辿ると、1916年の連合二哩勝ち馬アフリカンダー(父ウイリヤム)を出した濠洋の名牝・シドニーへとたどり着く。通算42勝を挙げ、一説によれば中央・地方を含めアングロ・アラブで獲得賞金1000万円の大台を初めて突破したとされるタフさの秘密は、この文字どおりの意味で忘れられた牝系の持つ底力にあったのかもしれない。

<紅ばら賞 結果>
1着 1枠1番タイカン R3:10.2
2着 4枠4番ヤマハルオ 7
3着 5枠5番アーリーホース 大
4着 3枠3番ダイゴ 8
5着 2枠2番マーベル 2 
単勝:1番320円 複勝:1番200円4番130円 6枠連単:1→3 1580円

オールカマー障害特別 結果>
1着 5枠8番タイカン 3:11.3
2着 1枠1番ハンターヒル 4 1/2
3着 4枠5番サクタカ 大
4着 6枠10番シマレビオー 1
5着 2枠2番ヒシマサ 大
単勝:8番430円 複勝:8番170円1番180円5番160円 6枠連単:5→1 2230円

イカ(牡) 所属不明 1949年生まれ 出生地不詳 父アブラール 母バラアキラ(バラツケー)アラブ血量39.06%
1955年:オープン級2勝
1956年:ワード賞2着、白百合賞2着、秋の重(金杯)2着、紅ばら賞3着、オープン級3勝、障害オープン級1勝。
1957年:紅ばら賞、オールカマー障害特別、オープン級2勝、障害オープン級1勝

ヤマハルオ(?) 所属不明 生年不明 出生地不詳 血統・アラブ血量不明
1955年:紅ばら賞、秋の特別(障害)2着、障害オープン級6勝
1956年:紅ばら賞。
1957年紅ばら賞2着

B2・C1級特別 11.19 川崎競馬場 サラ系ハンデ 距離1700m 1着賞金:不明
1枠1番 ×ヴイナクル(牡5) 須田茂(56)
2枠2番 ◎トモスベビー(牡5) 佐々木吉(56)
3枠3番  アキニシキ(?) 相沢(53)
3枠4番  ギヨクシヨウ(牡5) 鈴木冨(53)
4枠5番 ○ユウチヨウ(牡5) 八木正(58)
4枠6番 ▲アスナロ(牡4) 勝又衛(53)
5枠7番  ミスセイジユ(牝6) 松村友(52)
5枠8番  イチハツワカ(牡7) 杉山(53)
6枠9番  ホウネン(牡6) 山下(52)
6枠10番 △ヒロオー(牡5) 柏木(56)

全日本アラブ争覇 11.19 川崎競馬場 アラ系3歳定量 距離1600m 1着賞金:不明
1枠1番 △スイートホウケイ(?3) 勝又衛(53)
1枠2番  ミスターマンペイ(牡3) 赤間(53)
2枠3番  ラツプタイム(牡3) 山崎三(53)
2枠4番 ×テンパイ(?3) 八木正(53)
3枠5番  ダイゴヒカリ(?3) 竹山(53)
3枠6番 ◎リキスベビー(牡3) 佐々木吉(53)
4枠7番  ヒアロウ(?3) 井上(53)
4枠8番 ▲ミズリクオー(牝3) 永田(53)
5枠9番  トモスチヤーム(牝3) 青野(53)
5枠10番  タチナミ(牡3) 須田茂(53)
6枠11番  ラツキーヒカリ(?3) 柏木(53)
6枠12番 ○ビツクヒメ(牝3) 杉山(53)

 その名が表わす通り、リキスベビーはトモスベビーの半弟(1955年産・父クラツクセフト)である。デビュー以来順調に勝ち進み、アラブ争覇のステップレースであるビクトリーハンデも楽勝。まずは兄が惜しくも落とした3歳チャンプのタイトルを狙ってやろうと、この日の川崎競馬場へとやってきた。一方で、トモスベビーもサラ挑戦後はC1クラスで三連勝しており、いよいよ初のB級挑戦を迎える。奇しくも同じ日に、ひとつ前のレースにて弟の前座役を買って出たわけである。

 当時の南関サラ系B級は、上から落ちてきた元トップ馬と上がり馬がぶつかり合う魔窟のようなクラス。このレースでも、秋の鞍で2年連続2着のフクオーを筆頭に、ゴールデンウエーブの全弟でダイオライト記念馬2着の実績を持つホウネンなどなかなかのメンバーが揃っている。だがトモスベビーからすればこのあたりすら単なる「自分より足の遅いやつ」に過ぎなかったようで、馬種もクラスも関係無しの差し切り勝ちをなんなく決めた。競馬ってのは、とにかく強いやつが勝つもんだ。そんな兄から弟への最高のエールを受けて、そのままの勢いでの連勝を期して佐々木騎手は弟へと乗り換えた。ところが、これがすんなり無事にとはいかないから競馬とは面白い。

 問題はスタート直後に起こった。内枠の馬がゲートを出たところで大きくよろけ、しかも外のヒアロウが強引に先手を主張したことから進路を失うサンドイッチ状態に。どうにか落馬は免れたものの、リキスベビーは大きく離れた最後方へと下がってしまう。いくら力が上とはいえ、小回りの1500mでは絶望的な展開である。実際、のちにあのセンジユもアラブ争覇で同じような大出遅れを喰らい、やっとの5着に敗れている。ところが、ゆっくりと2コーナーを回りきると、バックストレッチで慎重に体勢を立て直す。大丈夫だ、いける。佐々木騎手の合図とともに、リキスベビーは猛烈な速さで外から馬群を一気に交わし、あっという間に先頭にまで躍り出たではないか!そして後続を突き放したまま、楽々と最後の直線を駆けていく。スケールの大きさなら兄を超えるのでは?と観衆を騒然とさせる、3歳馬とは思えぬほどの堂々たるレースぶりだった。

 リキスベビーは千鳥賞も8馬身差で大楽勝し、エイプリルフールのアラブチャレンジャーでもバラテスタ以下の古馬一流どころを一蹴している。もはや春の特別は必勝、兄との直接対決はさあいかに?……しかし、春の特別では4コーナーで馬群に包まれると、そのまま前が開かないまま大敗。その後はまるで魔法が解けてしまったかのように、調教でもレースでも凡走ばかりを繰り返す。

 だが、そんなトモスベビーの早熟さと豊かなスピードは、種牡馬としては大きなセールス・ポイントとなる。名牝スルガが出した4兄弟――トモスベビー、タカクラホマレ、リキスベビー、タカライザン――が果たせなかった春の特別制覇の悲願は、その子供の代へと持ち越されていく。

<B2・C1級特別 結果>
1着 2枠2番トモスベビー 1:51.1
2着 6枠10番ヒロオー 2 
3着 4枠5番ユウチヨウ 1
4着 4枠6番アスナロ 2 
5着 5枠8番イチハツワカ アタマ 
単勝:2番180円 複勝:2番110円10番150円5番190円 6枠連単:2→6 750円

<全日本アラブ争覇 結果>
1着 3枠6番リキスベビー 1:38.3
2着 5枠10番タチナミ 3 1/2
3着 4枠8番ミズリクオー 2 1/2

リキスベビー(牡) 三潟隆五郎厩舎(川崎) 1955年生まれ 浦河産 父クラツクセフト 母スルガ(方景)アラブ血量28.90%
3歳:全日本アラブ争覇、ビクトリーハンデ
4歳:アラブチャレンジャー、千鳥賞、ダイヤモンドハンデ2着、4歳特別1勝

ヒロオー(牡) 所属不明 1953年生まれ 出生地不明 父ヒロサクラ 母ブレーブス(セフト)
4歳(中央):13戦4勝(77.6万円)
4歳:秋の鞍2着
5歳秋の鞍2着
6歳:川崎記念3着、オープン級3勝
7歳:川崎開設記念3着

ホウネン(牡) 所属不明 1952年生まれ 青森産 父ミナミホマレ 母ユウコ(レイモンド)
4歳:梅花賞
4歳(中央):9戦2勝(166.1万円)
5歳:ダイオライト記念2着、オープン級1勝
6歳オープン級1勝

<そのほか有力馬>
バラテスタ(牡) 佐竹梅治厩舎(船橋) 1954年生まれ 出生地不詳 父ニユーバラツケー 母サワトヨ(ピタゴラス)アラブ血量34.08%
4歳:春の特別、秋の特別、白百合賞、船橋記念、こがね賞、ワード賞2着、ホウセント記念3着、オープン級3勝
5歳:銀盃、白百合賞、こがね賞2着、アラブチャレンジャー3着、オープン級7勝
母サワトヨは通算16勝。半弟に、1962年のシルバーカップを勝ったフクトミオー(1957年産・父ホースニユース)がいる。春の特別を僅差で競り勝つと、夏場の船橋記念・白百合賞と10キロ近い斤量差もあったとはいえトモスベビーを相手にして重賞を2連勝。秋の特別も楽勝し、史上初めて同年の春・秋特別を制した馬となっている。翌年も63キロを背負って銀盃を勝ち、3月浦和ではサラ系B級以下戦の弥生賞で2着するなどこの時期のトップ級アラブに相応しい戦績を残した。

オウゴンバラツケ(牡) 森田正一厩舎(大井) 1954年生まれ 出生地不詳 父ヒロサクラ 母オウゴンエビス(バラツケー)アラブ血量29.68%
4歳:アラブチャンピオン、千鳥賞、新春千葉杯、春の特別2着、秋の特別、4歳特別1勝
5歳:銀盃2着、船橋記念3着、オープン級7勝
6歳:オープン級5勝
7歳:銀盃2着、ワード賞2着、オープン級4勝
 全日本アラブ争覇には間に合わなかったが、1月に特別戦を2勝すると千鳥賞を制覇。春の特別では3着を7馬身離してのデットヒートをバラテスタと繰り広げるも、アタマ差及ばず2着だった。秋の特別でもバラテスタに完敗したが、軽量を活かしてクリスマスのアラブチャンピオンで重賞2勝目。その後もオープン級で16勝、7歳時は斤量差があったにせよセンジユと僅差の2着を2回など衰えない活躍を見せている。母系は北海道・松岡牧場が昭和5年にフランスから輸入した純血アラブ・ニイニーのラインで、主流の奥羽種畜牧場や下総御料牧場による輸入基礎牝馬高砂系とは一線を画す。

スヰートハート(牝) 勝又衛厩舎(大井)1950年生まれ 静内産 父セフト 母武兆(月友)
5歳(中央):札幌牝馬特別、東京牝馬特別2着
6歳(中央):愛知盃、目黒記念(春)3着
6歳:クイーン賞3着、オープン級1勝。
7歳:キヨフジ記念2着、クイーン賞2着、川崎・開設記念(サラ)3着、NTV杯3着、オープン級3勝。
8歳:川崎・開設記念(サラ)
 馬名の「ヰ」の字は偉大なる全姉・スウヰイスー(1949年産)から頂いたもの。中央時代は姉には及ばないながらもオープンで活躍し、6歳で南関にやってきてからも有力牝馬の1頭として重賞戦線で好走。引退レースとなった8歳の川崎開設記念(サラ)では、イチカントーが直前で出走を取り消した運の良さもあったとはいえ、準サラの強豪ヨシフサらを退け見事に重賞制覇を果たしている。

イチヨシノ(中央名タカツキ)(牝) 小暮嘉久厩舎(大井)1951年生まれ 青森産 父ミナミホマレ 母アステリモア(シアンモア)
3歳(中央):4戦1勝
4歳(中央):函館牝馬特別
5歳(中央):27戦5勝(206.2万円)
6歳(中央):6戦1勝(62.3万円)
中央通算:63戦14勝(478.3万円)
6歳:川崎記念3着、オープン級4勝
7歳キヨフジ記念
8歳:キヨフジ記念3着、オープン級1勝
 母アステリモアは秋田の農政に多大な貢献をしたことで知られる土田荘助の生産馬として、1938年に行われた第一回阪神優駿牝馬(オークス)を制している。というよりは、1934年の第3回東京優駿馬フレーモア(1931年産)の全妹といった方が通りがよいか。さらには、この馬の半姉ヒデヒカリ(1945年産・父ダイオライト)も1948年の皐月賞を勝っている名族だ。6歳で南関東に転じると、ゴールデンウエーブに南関東復帰戦で土を付けるなどオープン級を4勝。そしてこの年に7歳ながらにキヨフジ記念を勝った。繁殖としての代表産駒に、1965年のゴールドカップで3着などしたイチヨシノ(1962年産・父テツソ)が……せっくイチって付けてるんだし、そこはせめてダイニヨシノにしちゃくれなかったのかいな。

ラツキーマミー(牝) 田中利衛厩舎(大井)1953年生まれ 静内産 父ヴイーノーピユロー 母マリオン(ミナミホマレ)
3歳:平和賞、ビクトリーハンデ、全日本三歳優駿3着
5歳:NTV杯、クイーン賞金盃3着
 父ヴイーノーピユローは、白井新平が1952年に米国からサラブレッドとトロッターを買い付けた際に購入したアルゼンチン2000ギニー勝ち馬。半妹キクジユヒメ(1955年産・父トシシロ)は、1966年の菊花賞スピードシンボリと超接戦のうえに勝ち啓衆社賞・最優秀4歳牡馬を受賞するも、翌春の天皇賞で故障し死亡したナスノコトブキ(1963年産・父モンタヴアル)を出している。3歳時は5戦4勝2着1回という完璧な戦績で全日本三歳優駿に臨んだがカブトの3着。だが力の方は確かであり、この年も金盃で3着し、NTV杯とクイーン賞を勝っている。1963年の桜花賞(浦和)を勝ったラツキーマミー(繁殖名:愛星)はやはりむす……ではなく、こちらはまったく血縁関係にない(1960年産・父タークスリライアンス、母ニユーヂユール[トシシロ])。

ダイゴホマレ(牡) 天間三之助厩舎(大井) 1955年生まれ 青森・牛寺洋一氏生産 父ミナミホマレ 母トキフジ(トキノチカラ)
3歳:全日本三歳優駿、平和賞、ローレルハンデ
4歳(中央):東京優駿NHK杯弥生賞スプリングS皐月賞3着、オープン級2勝
5歳(中央):4戦0勝(3.8万円)
通算:24戦14勝。
 デビュー以来、2着に7馬身差をつけてのレコード勝ちとなった全日本三歳優駿まで、3歳時8戦8勝のパーフェクトな戦績を残す。翌年はダービーを目指して中山の久保田厩舎へ転出すると、見事カツラシュウホウを退けゴールデンウエーブ以来2頭目となる地方競馬出身の東京優駿勝ち馬となった。大井時代の管理調教師・天間氏は戦前トロッターの名手として名を上げ、大井競馬場・調騎会の初代会長も務めた重鎮である。

ゴールデンウエーブ(旧名:ネンタカラ)(牡) 所属不明 1951年生まれ 青森産 父ミナミホマレ 母ユウコ(レイモンド)
3歳:全日本三歳優駿、平和賞、ローレルS
4歳(中央):東京優駿、中山4歳S、オープン級4勝
5歳(中央):ダイヤモンドS2着
6歳(中央):1戦0勝
 3歳時に8戦6勝2着1回、全日本三歳優駿勝ちの実績を引っ提げ中央へ。皐月賞こそダイナナホウシユウの7着に沈んだものの、東京優駿では12番人気から見事に栄冠をつかんでみせた。地方出身馬としては、キヨフジ(1951年東京優駿牝馬)以来となる中央競馬のクラシック競走制覇ということになる。しかしその後は燃え尽きたのか、ダービー直後にオープン競走で1勝を挙げたのみ。この年6歳にして南関東に戻ってきたが、往時の走りは見られなかった。

ミツドフアーム(牡) 所属不明 1951年生まれ 豪州産 父Midstream 母Farmington(Colombo)
4歳:18戦6勝
5歳:2戦0勝
6歳(中央):2戦2勝(204万円)
6歳(中央):天皇賞(秋)新春ハンデ、中山グランプリ3着、ダイヤモンドS3着
7歳(中央):1戦0勝
7歳川崎記念3着、オープン級1勝
4歳時は同じ濠サラのフアストロに及ばず2着9回と勝ちきれなかったが、どうやら芝の方があっていたようで中央入り後は力関係が逆転。ヒデホマレらを下して1956年の秋の天皇賞を勝っている(フアストロは同レース4着)。翌年の中山金杯8着を最後に南関東のダートへ戻ってきたが、やはりイマイチな戦績に終わった。全兄にオーストラリアの伝統2歳GⅠ・サイアーズプロデュースステークスを勝ったRoyal Stream(1950年産)が、遠戚に持ち込み馬としてスイートシンボリの母スイートイン(1958年産・父ライジングライト)を産んだフィーナー(1949年産・父Orthodox)がいる。

ハツユキ(牡) 栗田金吾厩舎(大井) 1954年生まれ 青森産 父プリメロ 母マヤホープ(レイモンド)
4歳:春の鞍、大井杯、ゴールドカップ3着、4歳特別1勝
5歳(中央):9戦0勝(4.6万円)
 名前の通りかは知らないが、第三回にしてようやく春の鞍を南関東の生え抜きが制覇したという意味でじつに記念すべき馬ではある。5歳時に中央入りしたものの、秋口からすでに調子が下降気味だったこともあり、9戦して未勝利という期待はずれな結果に終わってしまった。

コスモライト(牡) 勝又衛厩舎(大井)1953年生まれ 出生地不明 父オーライト 母スモールカツプ(トキノチカラ)
3歳:全日本三歳優駿2着
4歳:桜花賞2着、秋の鞍3着、4歳特別1勝
4歳(中央):13戦3勝(153.5万円)
5歳ダイオライト記念川崎記念2着、オープン級3勝
6歳:オープン級1勝
8歳(東海):東海菊花賞
 全日本三歳優駿で2着、ケンチカラの秋の鞍でアタマ・3/4差の3着と今一歩及ばない競馬が続いていたが、メンバーに恵まれたこの年のダイオライト記念で重賞勝ちを果たした。晩年は東海公営・高知競馬と流れていき、8歳時に東海菊花賞を勝っている。

キクハマ(牡) 小暮嘉久厩舎(大井) 1954年生まれ 出生地不詳 父タークスリライアンス 母神浜(トウルヌソル)
3歳(中央):5戦1勝(21万円)
4歳(中央):2戦0勝(3.2万円)
4歳桜花賞大井杯2着
 下総御料牧場が1932年に輸入し、第1回中山4歳牝馬特別(桜花賞の前身)を勝ったソールレデイ(繁殖名:雲浜)を出した星浜の牝系。半兄コンカード(1953年産・父グレーロード)もこの年南関東で走って川崎開設記念・ダイオライト記念で3着している。中央でデビューも1勝止まりで、南関東のクラシックに活路を求めて転入。思惑通り桜花賞を勝ち、大井杯でも2着した。

ザイ(牡?) 所属不明 1952年生まれ 出生地不詳 血統・アラブ血量不明
4歳:ワード賞(アラ4歳)
5歳:オープン級2勝
6歳秋の特別3着、川崎開設記念(アラ)3着、白百合賞3着、オープン級1勝
 4歳秋のワード賞(アラ4歳)で、ダイゴカゲミツをハナ差凌いで重賞制覇。6歳となった今年もふだんはA2級で走っていたが、重賞となると秋の特別を始め3着3回の好走を見せている。

<重賞レース全戦績>

日付 レース名 距離 条件 1着賞金 勝ち馬 勝ち時計 騎手(斤量) 調教師(所属) 2着 3着
01.01 大井 新春盃 2400 サラ系ハンデ 不明 イチカントー(牡5) 不明 不明 小暮嘉久(大井) ナンシーシヤイン ケンチカラ
01.10 川崎 紅ばら賞*1 2700 アラ系障害ハンデ 不明 イカ(牡9) R3:10.2 鶴出誠(58) 不明 ヤマハルオ(7) アーリーホース(大
02.09 川崎 開設記念(アラ) 2000 アラ系ハンデ 不明 トモスベビー(牡5) 2:18.0 井上(63) 三潟隆五郎(川崎) ナイト(ハナ) ザイ(7)
02.10 川崎 開設記念(サラ) 2200 サラ系ハンデ 60 スヰートハート(牝8) 2:23.4 杉山(53) 勝又衛(大井) フシフサ(ハナ) コンカード(アタマ)
02.17 大井 千鳥賞 1600 アラ系4歳牡馬別定 不明 オウゴンバラツケ(牡4) 1:45.0 高岩(55) 森田正一(大井) フクシマ(アタマ) サンチヤゴ(4)
02.20 船橋 ブルーバードカップ 1800 アラ系4歳牝馬別定 30 イチキヨカタラ(牝4) 1:45.2 谷口章(54) 谷口源吾(船橋) タクマハヤ(1/2) ミスタカクラ(3)
03.06 船橋 ダイオライト記念 1800 サラ系4・5歳ハンデ 50 コスモライト(牡5) 1:55.1 長沢保(56) 小暮嘉久(大井) ゴウシユウクイン(1/2) コンカード(1 1/2)
03.13 大井 銀盃 2000 アラ系ハンデ 不明 ナイト(牡7)*2 2:12.2 鈴木春(62) 不明 トシカゼ(1 1/2) ニユーマルタケ(ハナ)
03.31 川崎 キヨフジ記念 1700 サラ系牝馬ハンデ 50 イチヨシノ(牝7) 1:51.3 長沢深(62) 小暮嘉久(大井) アランデール(1 3/4) ダツシングラス(アタマ)
04.01 大井 大井杯 1800 サラ系4歳定量 60 ハツユキ(牡4) 1:57.0 永井(57) 栗田金吾(大井) キクハマ(1/2) ワカチカラ(4)
04.17 浦和 桜花賞 1600 サラ系4歳別定 50 キクハマ(牡4) 1:43.4 長沢保(54) 小暮嘉久(大井) エイシヨウ(1/2) サザナミ(1 1/2)
05.01 大井 春の特別 1800 アラ系4歳定量 不明 バラテスタ(牡4) 1:58.4 須田茂(57) 佐竹梅治(船橋) オウゴンバラツケ(アタマ) エムグレイス(7)
05.12 川崎 ゴールデンウエーブ記念 2000 サラ系ハンデ 不明 ヨシフサ(牡6) 2:08.1 須田茂(54) 不明 カブト(1 3/4) カネエイカン(2 1/2)
05.15 大井 春の鞍 2000 サラ系4歳定量 100 ハツユキ(牡4) 2:10.3 永井(57) 栗田金吾(大井) シーマタイガー(3) 二ユーカントー(2 1/2)
06.05 大井 ワード賞 2000 アラ系ハンデ 不明 トモスベビー(牡5) 1:11.0 佐々木吉(64) 三潟隆五郎(川崎) バラテスタ(1/2) サチアヅマ(3)
06.20 大井 大井記念 2400 サラ系ハンデ 80 ケンチカラ(牡6) 2:35.8 小筆(50) 伊藤正美(大井) イチカントー(1/2) ヒカリボシ(4)
07.17 川崎 川崎記念 2200 サラ系ハンデ 不明 イチカントー(牡6) 2:22.2 齋藤安(54) 小暮嘉久(大井) コスモライト(ハナ) ミツドフアーム( 1 3/4)
07.28 船橋 船橋記念 1800 アラ系ハンデ 35 バラテスタ(牡4) 1:56.1 須田茂(55) 佐竹梅治(船橋) トモスベビー(5)*3 エムグレイス(1 1/2)
08.10 川崎 白百合賞*4 2200 アラ系ハンデ 不明 バラテスタ(牡4) 2:25.1 須田茂(56) 佐竹梅治(船橋) トモスベビー(4)*5 ザイ(大)
08.15 浦和 ゴールドカップ 2000 サラ系4歳ハンデ 40 クニノオー(牡4) 2:11.3 勝又衛(56) 勝又専次郎(大井) アスナロ(2 1/2) ハツユキ(1/2)
08.18 船橋 NTV杯 2000 サラ系ハンデ 60 ラツキーマミー(牝5) 2:06.3 須田茂(51) 田中利衛(大井) カブト(ハナ) イチカントー(2 1/2)
09.17 大井 金盃 2400 サラ系ハンデ 70 イチカントー(牡5) 2:38.1 藤田安(55) 小暮嘉久(大井) ナンシーシヤイン(3) ラツキーマミー(ハナ)
09.24 川崎 アラブチャレンジャー 1700 アラ系4・5歳ハンデ 不明 トモスベビー(牡5)*6 1:51.4 勝又衛(64) 三潟隆五郎(川崎) エムグレイス(3) サチアヅマ(3/4)
10.09 船橋 平和賞 1200 サラ系3歳定量 35 ダイゴホマレ(牡3) 1:15.3 小筆(53) 天間三之助(大井) フクチカラ(2) フールムーン(4)
10.15 大井 秋の特別 2400 アラ系ハンデ 不明 バラテスタ(牡4) 2:39.4 須田茂(59) 佐竹梅治(船橋) オウゴンバラツケ(5) ザイ(1 1/2)
11.01 大井 秋の鞍 2600 サラ系ハンデ 100 イチカントー(牡5) 2:43.4 藤田安(57) 小暮嘉久(大井) ヒロオー(1 1/2) オートネ(1/2)
11.06 船橋 クイーン賞 1800 サラ系牝馬ハンデ 50 ラツキーマミー(牝5) 1:53.4 須田茂(59) 田中利衛(大井) チエリー(2) エイシヨウ(1/2)
11.13 浦和 こがね賞 2000 アラ系4・5歳ハンデ 不明 バラテスタ(牡4) 2:16.4 荒山(59) 佐竹梅治(船橋) シズナイオー(3) ギンパイ(8)
11.19 川崎 全日本アラブ争覇 1500 アラ系3歳定量 不明 リキスベビー(牡3) 1:38.3 佐々木吉(53) 三潟隆五郎(川崎) タチナミ(3 1/2) ミズリクオー(2 1/2)
11.20 川崎 全日本3歳優駿 1500 サラ系3歳定量 50 ダイゴホマレ(牡3) R1:36.0 小筆(53) 天間三之助(大井) バイラツク(7) コーアイ(6)
12.18 大井 ホウセント記念 2000 アラ系4歳ハンデ 不明 ミナミオー(牡4) 2:11.3 永田(50) 遠藤二郎(川崎) プラトー(1 1/2) バラテスタ(1 1/2)
12.25 川崎 アラブチャンピオン 2000 アラ系ハンデ 不明 オウゴンバラツケ(牡4) 2:12.0 小筆(50) 森田正一(大井) グレートリバー(1 3/4) フジミナト(3/4)

<オープン級レース全勝ち馬一覧>
サラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.11 川崎 新春ハンデ*7 2000 サラ系 シゲタカラ 2:09.3
01.16 浦和 浦和記念 2000 サラ系 ホウネン 2:09.1
01.21 大井 オープン特別 1800 サラ系 ナンシーシヤイン 1:52.0
01.27 船橋 金の鞍 2000 サラ系 イチカントー 2:07.0
02.03 浦和 浦和記念 2000 サラ系 コンカード 2:09.0
02.21 船橋 金の鞍*8 1800 サラ系 コンカード 1:53.3
03.24 大井 A・B1級特別 2000 サラ系 オートネ 2:09.3
03.30 川崎 オープン特別 1700 サラ系 カネエイカ 1:50.1
04.05 大井 オープン特別 2000 サラ系 オートネ 2:09.0
04.12 川崎 オープン特別 1700 サラ系 ヨシフサ 1:49.3
04.16 浦和 浦和記念 2000 サラ系 コンカード 2:08.3
04.24 大井 A・B1級特別 1800 サラ系 ヨシフサ 1:54.2
04.29 川崎 A1・2・B1特別 2000 サラ系 コンカード 2:09.1
05.24 浦和 浦和記念 2000 サラ系 コンカード 2:08.3
05.31 船橋 金の鞍 1800 サラ系 ホウシユウホマレ 1:52.4
06.06 大井 A級特別 1800 サラ系 オートネ 1:54.4
06.11 船橋 金の鞍 1800 サラ系 アランデール 1:53.0
06.28 浦和 浦和記念 2000 サラ系 コスモライト 2:09.2
07.10 浦和 浦和記念 2000 サラ系 コスモライト 2:09.3
08.09 川崎 オープン特別*9 1700 サラ系 ミツドフアーム 1:50.0
09.13 船橋 金の鞍 1800 サラ系 コスモライト 1:53.4
09.22 川崎 A級以下特別 1700 サラ系 フアストロ 1:50.8
10.08 船橋 金の鞍 1800 サラ系 オートネ 1:52.1
10.13 大井 A・B1特別 1700 サラ系 フアストロ 1:47.3
10.27 浦和 浦和記念 2000 サラ系 オーエスケー 2:12.2
11.11 浦和 浦和記念 2000 サラ系 カブト 2:12.3
11.17 川崎 A・B1級特別 2000 サラ系 フアストロ 2:07.2
11.24 船橋 金の鞍 1800 サラ系 オートネ 1:52.1
11.29 大井 A・B1級特別 1800 サラ系 フアストロ 1:54.2
12.03 浦和 浦和記念 2000 サラ系 カブト 2:13.4
12.08 船橋 金の鞍 2000 サラ系 フアストロ 2:05.3
12.27 大井 A・B級特別 1700 サラ系 イチカントー*10 1:47.4

●アラ系

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.04 大井 オープン特別 2000 アラ系 タカトシ 2:10.2
01.12 川崎 新春ハンデ 2000 アラ系 トモスベビー 2:12.1
01.18 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:44.2
01.22 大井 オープン特別 1800 アラ系 トシカゼ 1:57.1
01.28 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ナイト 1:56.0
02.04 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:44.1
02.15 大井 オープン特別*11 1800 アラ系 タカトシ 1:54.2
02.19 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 グレートリバー 1:58.2
02.26 大井 オープン特別 1800 アラ系 トシカゼ 1:57.4
03.03 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 グレートリバー 1:56.4
03.18 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:44.1
03.27 川崎 A級特別 1700 アラ系 ナイト 1:52.0
04.02 大井 オープン特別 2000 アラ系 グレートリバー 2:12.1
04.09 川崎 オープン特別 1700 アラ系 サチアヅマ 1:53.1
04.15 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 シズナイオー 1:42.0
04.23 大井 オープン特別 2000 アラ系 トモスベビー 2:13.2
05.03 大井 A級特別 1800 アラ系 サチアヅマ 1:58.0
05.05 大井 A・B1級特別 1800 アラ系 トモスベビー 不明
05.10 川崎 A・B・C級特別 2000 アラ系 トモスベビー 2:11.4
05.16 大井 オープン特別 1800 アラ系 ザホース 1:58.1
05.23 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 ギンパイ 1:47.1
05.29 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 エムグレイス 1:55.8
06.09 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 タツトモ 1:56.2
06.19 大井 オープン特別 1800 アラ系 不明 不明
06.26 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 シズナイオー 1:44.4
07.02 大井 オープン特別 1800 アラ系 タツトモ 1:58.1
07.09 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 ワールドカツプ 1:44.4
07.15 川崎 オープン特別 2000 アラ系 フジミナト 2:12.1
08.04 大井 A1・A2級特別 1800 アラ系 ザホース 1:57.0
08.17 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ザホース 1:56.2
08.23 大井 A1・A2級特別 1800 アラ系 ザイ 2:00.0
08.30 川崎 A・B1級特別 1700 アラ系 ギンパイ 1:55.0
09.04 大井 オープン特別 1800 アラ系 イカ 2:00.2
09.10 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 イカ 1:57.0
09.15 大井 オープン特別 1800 アラ系 シズナイオー 1:58.0
09.28 大井 A級特別 1700 アラ系 シンニホン 1:51.4
10.02 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 シズナイオー 1:49.1
10.04 浦和 浦和記念 2000 サラ系 クニノオー 2:14.3
10.07 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 バラテスタ 1:57.0
10.25 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:48.0
10.31 大井 A1・2・B1級特別 1700 アラ系 グレートリバー 1:51.0
11.07 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 ニユウダイコク 1:56.4
11.20 川崎 A級特別 2000 アラ系 エムグレイス 2:13.1
11.26 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 バラテスタ 1:55.2
12.01 大井 オープン特別 1800 アラ系 フジミナト 1:58.2
12.06 浦和 栄冠賞 1600 アラ系 タカトシ 1:46.2
12.11 船橋 銀の鞍 1800 アラ系 バラテスタ 1:55.4
12.17 大井 オープン特別 1800 アラ系 タカトシ 1:58.1
12.29 大井 A級特別 1800 アラ系 タカトシ R1:56.0

サラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.06 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 ハツユキ 1:36.4
01.19 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 スーパーマン 1:38.8
03.09 大井 4歳特別 1500 サラ系4歳 ニユーカントー 1:38.4
04.23 大井 4歳特別 1700 サラ系4歳 ロンジー 1:51.1
05.05 大井 4歳特別 1600 サラ系4歳 不明 不明
10.23 川崎 ローレルハンデ 1400 サラ系3歳 ダイゴホマレ 1:30.2
12.28 大井 3歳特別 1400 サラ系3歳 コーアイ 1:30.2

●アラ系3・4歳

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.05 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 オウゴンバラツケ 1:38.2
01.12 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 ミナミオー 1:40.1
01.19 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 プラトー 1:38.0
01.26 船橋 新春千葉杯 1600 アラ系4歳 オウゴンバラツケ 1:43.8
02.10 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 タツクオー 1:39.1
02.15 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 シーマタイガー 1:37.1
02.26 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 サライ 1:42.2
02.27 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ミチオー 1:42.0
03.05 船橋 銀の星 1600 アラ系4歳 ナニワカブト 1:46.1
03.08 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 アズマリユウ 1:42.0
03.12 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 バンプ 1:43.2
03.22 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 不明 不明
03.24 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 ギンザオー 1:39.2
03.25 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 トヨハナ 1:43.1
03.28 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 タカラニシキ 1:40.2
04.04 大井 4歳特別 1500 アラ系4歳 キンザン 1:40.4
04.09 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 フロント 1:39.4
04.12 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 ミナミオー 1:38.8
04.21 大井 4歳牝馬特別 1700 アラ系4歳 トシヒメ 1:56.1
04.29 川崎 4歳特別 1500 アラ系4歳 イチキヨカタラ 1:40.3
10.22 川崎 ビクトリーハンデ 1400 アラ系3歳 リキスベビー 1:32.3
11.25 船橋 金の星 1200 アラ系3歳 ヒアロウ 1:17.2
12.09 船橋 金の星 1300 アラ系3歳 スイートホウケイ 1:16.4

●障害

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
02.02 浦和 障害特別 2000 アラ系障害 イカ 2:15.0
06.17 川崎 オールカマー障害特別 2700 オールカマー障害 イカ 3:11.3
11.13 浦和 障害特別 2000 アラ系障害 ホシタカラ 2:31.1

●繋駕

日付 レース名 距離 条件 勝ち馬 勝ち時計
01.13 浦和 特別 2000 繋駕 コウラクエン 3:23.4
01.25 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ホシトロ 4:16.1
01.31 浦和 特別 2000 繋駕 グツトホープ 3:33.3
02.18 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ホツカイグレイス 4:11.0
03.02 船橋 金の鈴 2400 繋駕 コテンプル 4:11.1
03.14 浦和 特別 2000 繋駕 センダチ 3:31.4
04.13 浦和 特別 2000 繋駕 グツトホープ 3:37.2
05.20 浦和 特別 2000 繋駕 マツクスホール 3:29.1
05.27 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスニユータイム 4:06.1
06.08 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスワカクサ 4:13.1
06.25 浦和 特別 2000 繋駕 ノースキング 3:25.1
07.06 浦和 特別 2000 繋駕 ノースキング 3:28.2
07.25 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ブリンカー 4:01.3
08.11 浦和 特別 2000 繋駕 ミスワカクサ 3:28.0
08.17 船橋 特別 2400 繋駕 チバフジヒメ 4:06.3
09.09 船橋 特別 2400 繋駕 ミスワカクサ 4:07.2
10.01 浦和 特別 2000 繋駕 ブリンカー 3:43.0
10.10 船橋 金の鈴 2400 繋駕 エチゴバンプ 4:04.0
10.24 浦和 特別 2000 繋駕 エチゴバンプ 3:33.2
11.04 船橋 金の鈴 2400 繋駕 チバフジヒメ 4:05.1
11.09 浦和 特別 2000 繋駕 ミスワカクサ 3:47.2
11.21 船橋 金の鈴 2400 繋駕 ミスサラトガ 4:03.2
12.02 浦和 特別 2000 繋駕 エチゴバンプ 3:34.4
12.08 船橋 金の鈴 2400 繋駕 フレンドシツプ 4:05.4

*1:新聞紙面上では「紅ばら障害」表記。

*2:トモスベビーは4着。

*3:トモスは65k

*4:フクパーク出走(杉山50)

*5:トモスベビー65k、

*6:バラテスタ4着(3 1/2、58k)

*7:カネエイカン復帰(8着)

*8:ゴールデンウエーブ再び復帰

*9:フアストロ南関復帰戦

*10:トモスベビー3着

*11:キノピヨ出走

ハ行

●ハ行
ハイセイコー 1962,1966
・ハイナルビ 1959
・バイラツク 1957-1958
バイロン 1955
・ハイユウ 1964
・パインリバー 1964
・ハウコウ 1966
・ハカタダイオー 1965
・バウエル 1962
・ハクオウ ⇒ゲキリユウ
・ハクゲキ 1955
ハクチカラ 1956,1959
・ハクラク 1955
・ハグロ 1955
ハジメオー 1961,1962,1963
・ハタオー 1956
・ハタワカ 1955
・ハタリユウ 1959
・ハツカゼ 1959
・ハツピークイン 1956
・ハツピーゴールド 1958
・ハツピーローズ 1960,1962
・ハツユキ 1957,1958
・ハナダ 1965
・ハナノカゲ ⇒タマノニシキ
・ハナノキネン 1965,1966
・ハナライト 1962-1963
・ハマイチ 1963,1964
・ハヤミナミ 1963
・ハヤオー 1956
・ハヤトリ 1960-1961
ハヤブサ 1962
・ハヤミナミ 1961
・ハヤユウ 1965
・バラセイユウ 1964
・バラテスタ 1957,1958-1959
・バラパーク 1956
・バラミドリ 1962-1963
・ハルイサミ 1964
・ハルウイン 1961
・ハルセキト 1959,1961
ハルタカラ 1958,1959-1960
・ハヤナミ 1963
・ハヤテン 1966
・ハヤユウ 1965
・ハルミナト 1961-1962
・ハヤシモリ 1964
・ハヤチネヤマ 1966
ハヤブサ 1962
・ハヤミナミ 1961,1964
・ハヤユウ 1966
・バラセイユウ 1965,1966
・バレーカブト 1959
・ハロウエートツプ 1964
・ハロユウ 1959,1963,1964
・ハローオウ 1966
・ハロータイム 1966
・ハロートモ 1959,1961-1962
・ハローホマレ 1966
・ハローモア 1955,1959,1962
・パンステリー 1959
・バンダル ⇒ロイヤルナイト
・ハンターヒル 1957
・バンドーオー 1966
バンプク 1957
・パーツサツマ 1966
・パールマウンテン 1963,1964,1965-1966
・ヒアロウ 1957
・ヒガシジヨオー 1958
・ヒガシシーロ 1958
・ヒガシテラオー 1958,1959
・ヒガシヒーロ 1965
・ヒガシミノル 1962,1963
・ヒガシモア 1966
・ヒガシユリ 1965
・ヒガシランド 1965
・ヒカリボシ 1957
ヒカルイマイ 1966
ヒカルタカイ 1965-1966
・ビクトリー 1959
・ヒシバラ 1965
・ヒシマサ 1957
・ヒダカスズラン 1955-1956
・ビツクヒメ 1957-1958,1961,1962
・ヒデアキ 1955
・ヒデサカエ 1960
・ヒデツキ 1961-1962
・ヒデハルオ 1955
・ヒデヒカリ 1957
・ヒデマサル 1965
・ヒデミドリ 1964,1966
・ヒノデキング 1966
・ヒメハヤテ 1963,1964
・ヒヤクマンドル 1959
・ビユーテイホース 1966
・ピユーレツト 1960-1961
・ヒロイチ 1959
・ヒロオー 1956,1957,1958-1959
・ヒロサカエ 1961
・ヒロホマレ 1959
・ビンゴ 1964,1965
・ヒンドソネラ 1964
・フアストクイン 1959
・フアストパレード 195
・フアストライト 1958
・フアストロ 1955,1957-1958
・フアストワールド 1964-1965
・フアヘツド 1955
・フエアシンボル 1955
・ブエノラピード 1965
・フクアキラ 1956
・フクオー 1955,1956
・フクサチオー 1960
・フクシマ 1956-1957
・フクチカラ 1957
・フクトミオー 1957,1960-1961,1962
・フクトミホマレ 1962,1963,1965
・フクバラツケー 1955,1961,1963,1964,1965
・フクパーク 1955-1957,1962,1966
・フサリユウ 1960,1961,1964
・フジカツプ 1964-1965
・フジノツキ 1966
・フシフサ 1957
・フジテル 1958
・フジミナト 1957-1958
ブゼンダイオー 1956
・ブゼントシユキ 1955,1956,1958
・フツキーオー 1956
・フブキオー 1958
・フミヒロ 1966
・フライングホース 1963
・ブラツクメイジ 1966
・フラツトグロー 1964
・フラツトダリー 1960
・フラツトパンチ 1959
・フラツトベビー 1962-1963
・フラツトポール 1958
・フラツトムカワ 1966
プラトー 1957-1958
・フラワーウエー 1964
・ブランドシーマン 1964
・ブリウパーク 1955
・フリスコダウ 1956
・ブリツカフオード 1962,1963
・フリツツスコア 1961
ブリンカール 1957
・プレジテントケイ 1965
・フレツチヤー 1955,1956
・フレンドシツプ 1957
・ブロウニー 1965-1966
・フロント 1957
・ブロード 1958
・フールムーン 1957
・ヘイワフジ 1960
・ヘキレキ 1960
・ベストフアード 1955-1956
・ペテガリ 1956 
・ベニハヤテ 1965
・ベルソーナ 1955
・ベレアー(異名:ボーレスキング) 1963,1964-1965
・ベンジヤミン ⇒ニユーサカエ
・ベンケーオーザ 1966
・ホウエー 1963-1964
・ホウコウ 1956
・ホウザン 1961
・ホウシユウオー 1958
・ホウシユウホマレ 1957
・ホウシユウミナミ 1963
・ホウセント 1955-1957
・ホウネン 1956,1957
・ホウテンオー 1961
・ホウランド 1955
・ホウリン 1964
・ホクセイ ⇒ユウセイ
・ホクセツギンガ 1966
・ホシウインザー 1958
・ホシカゼ 1955
・ホシタカラ 1955-1957
・ボストン 1958
・ホンタカラ 1955
・ホシトロ 1955-1957
・ホシミヤ 1955
・ホツカイ 1964,1965-1966
・ホツカイグレース 1956-1957
・ホマレオー 1956
・ホマレカツフジ 1961,1963
・ホマレホウオン 1965-1966
・ホマレボシ 1959
・ホマレーヒロ 1962
・ホンマル 1965
・ホージツト 1966
・ホースオー 1962
・ホースジヨー 1961
・ホースニユース 
1955
,1956-1957
ホープフレンド 1962-1963,1964,1965
・ボールドハロー 1966
・ボールドプライド 1962,1965
・ボーレスキング ⇒ベレアー

ヤ・ラ・ワ行

●ヤ行
・ヤグチホープ 1961
・ヤサカオー 1963-1965
・ヤサカオーザ 1965
・ヤシマジヤパン 1964
・ヤシマレモンド 1965-1966
・ヤスコ 1966
・ヤマツバサ 1958
ヤマハルオ 1955-1956,1957
・ヤマブエ 1964-1966
・ヤマトザン 1964-1965
・ヤマニンルビー 1965
・ヤマノガイカ 1965-1966
・ヤマミドリ 1956
・ユウセイ(異名:ホクセイ) 1959,1960
・ユウチヨウ 1957-1958
・ユウフク 1960
・ユウリン 1966
・ユキミツ 1963
・ユキロウ 1960-1962,1963
・ユスチニアヌス 1958
・ユドラフオー 1956
・ユワンボシ 1964,1965,1966
・ユーターホマレ 1962
・ヨウタカラ 1965
・ヨシテル 1965
・ヨシフサ 1957,1958,1959
・ヨシミドリ 1960-1961,1962,1963
・ヨロイアイゼン 1958
・ヨンダービー 1956
・ヨーカ 1955-1956
●ラ行
・ライオー 1958
ライジン 1964
・ライメー 1960
ライジングホース 1959
・ラセーヌ 1958
・ラツキーオー 1955-1956
・ラツキーコウヨウ 1955
・ラツキーナイト 1966
・ラツキーヒカリ 1957
・ラツキーマミー 1955,1957,1958
・ラツキーマミー(繁殖名:愛星) 1957,1962-1963
・ラツキーマンナ 1961,1962
・ラツキーライフ 1955-1956
・ラツプタイム 1957
・ララミ 1961,1963,1964
・ランスコツト 1965
・リキカゼ 1962
・リキスベビー 1957,1958
・リキスユリ 1966
・リキトウ 1956
・リユウウン 1961
・リユウエウ 1960
・リユウケイ 1965
・リユウゼツト 1963,1964
・リユウピストン 1965
・リユウボート 1964,1965-1966
・レビユーホー 1956
・レプリゼントホース 1964
・レートキング 1955
・ロイヤルジエツト 1964-1965
・ロイヤルナイト(中央名:バンダル) 1958,1964,1965
ロジータ 1966
・ロビンオー 1959
・ロマンスエミー 1963
・ロンジー 1957
・ロンドンホース 1959
・ローヤルエース(異名:シヤーラツク) 1964
・ローヤルフアン 1958
・ローヤルレザー 1955
・ローヤルエース 1965
ローレライ 1959
●ワ
・ワイザートヒメ 1959
・ワイズテアリア 1958
・ワカジホマレ 1966
・ワカトラ 1956
・ワカホープ 1961
ワシュウジョージ 1966
・ワルツニセイ 1965
・ワンモアー 1966
・ワールドカツプ 1955-1957
・ワールドシーマー 1955
・ワールドパレード 1961,1962
・ヴイナクル 1957

マ行

●マ行
・マイペツト 1956
・マサタカラオー 1963-1964
・マサトモ 1955
・マサホウ 1965
マスタング 1965-1966
・マスホマレ 1959-1963,1964
・マスミノル 1958
・マツエ 1966
・マツカゼオー 1961,1962
・マツクスホール 1955-1958
・マツタカラ 1955
・マルサンフアイヤ 1961
・マルヒカリ 1963
・マルマンチカラ 1965
・マルミドリ 1955-1956
・マーベル 1957
・ミオソチス 1964,1965
・ミサキシンボル 1958
・ミスアサヒロ 1955,1956
・ミスオウゴン 1959
・ミスカオル 1958
・ミスキンクン 1959
・ミスサラトガ 1957
・ミスセイジユ 1957
・ミスソノハルオ 1961
・ミスターマンペイ 1957-1958
・ミスツバサ 1960
ミスドウリヨウ 1956
・ミスニユータイム 1957-1958
・ミスバイラツク 1960
・ミスパプース 1961-1963
・ミスホマレ ⇒アサヒマル
・ミズリクオー 1957
・ミスタカクラ 1957
・ミスユワブチ 1966
・ミスワカクサ 1956-1958
・ミチオー 1957
・ミツイサミ 1960
・ミツドビル 1955
・ミツドフアーム 1955,1957
・ミツヒロチカラ 1966
・ミツワ 1958
・ミトタカラ 1961-1963
・ミナトバラツケー 1958
・ミナミガンリユウ 1966
・ミトヒカリ 1963
・ミナトフブキ 1962,1963
・ミナミオー 1957
・ミナミパーク 1956
・ミネステーツ 1956
・ミネハタ 1955-1956
・ミノワ 1962
・ミヤトニキ 1965
・ミヤヒカリ 1955-1957
・ミヤホウ 1963-1965
・ミヤマシユーホー 1961,1962,1963,1966
・ミラ 1958
・ミロン 1965-1966
・ムサシミナモト 1956
・ムーン 1962
・メイクマイウエー 1961
・メリツト 1963
・モアナー 1958-1959
・モガミヒカリ 1964
・モリカブト 1966
・モリホープ 1964,1965-1966
・モンクス 1966