第15回ジャパンダートダービー

2013年7月10日 8時10分予想加筆修正。すんません。

07年:第9回ジャパンダートダービー
 理念上はダービー・ウィークに開催された全国各地のダービー馬による頂上決戦としての意味合いも持っているジャパンダートダービーだが、今年は07年――各地のダービーがトライアルとして正式に組み込まれたダービー・ウィーク2年目――以来の他地区出走枠一杯・5頭のダービー馬がここに歩を進めてきた。とはいえ中央所属馬との間の、いや南関とすらその実力の違いはいかんともしがたく、他地区馬で掲示板に乗ったのは06年のオウシュウクラウン(岩手・3着)と、00年のタキノスペシャル(道営・3着。なお、当時秋開催だった北海優駿クラキングオーの2着)の2例だけ。地元・東京ダービー馬と並び9頭の出走馬を送り込んできた歴代・東海ダービー馬など、中央交流・東海優駿時代のタカラアジェンディ(04年・9着)を含めて真ん中より上の着順にすら届いていない有様である。賑やかしとしてはそれなりに見栄えがするのだけれど、やはり今回もなかなか好走までは厳しいか。ここを回避したダイヤモンドカップ馬・ヴイゼロワンが先日地元で予後不良となってしまったのを観ているだけに、とにかく無事に完走し地元へと帰っていってくれとだけ願う。
歴代ダービー勝ち馬の戦績

 ところで、07年と言えばフリオーソ・アンパサンド・トップサバトン南関東三強がクラシックを盛り上げた世代ではなかったか。思えばそれ以来、まるで風物詩のように大井場内の某有名予想屋に「今年の南関はレベルひっくいねぇ〜」とぼやかれること幾年月か、東京ダービーに限ってみてもドリームスカイサイレントスタメンは馬鹿穴をあけた後ろくすっぽ走らず、マカニビスティーなんてパチもん南関馬にすら油揚げを攫われる始末。中央でのウォッカ・ダスカの流れに乗ってかネフェルメモリーモエレエターナルクラーベセクレタ・ エミーズパラダイスと、強いとされる牝馬が現れたこともあったが、これは結局のところ牡馬勢の手薄さを露呈しただけのようにも思われる。結果、クラシック・ディスタンスで中央競馬に対抗できる地元馬はさっぱり現れないままで、ついには昨年末の東京大賞典に先日の帝王賞と、掲示板を中央所属馬に独占される屈辱の結果を招いてしまった。

12.4 - 11.6 - 12.5 - 13.4 - 12.9 - 12.4 - 12.5 - 13.2 - 12.8 - 13.5
 だが、今年の南関クラシックはちとばかり違う。いや、平均的な水準はむしろ例年より低いような気もするのだが、その分本気で南関東クラシックで稼ぎに来たサンデーレーシングのジェネラル両頭を始め、上位陣に関しては非常に粒の揃った世代となった。実際、羽田盃では同日最終のA3以下と時計・上がり面で遜色ない数字を叩き出しており――もっとも、07年組は同週のそれに4秒差をつけていたものだが――、今後の成長次第で古馬になってからも十分期待できそうな様子。ここでも中央所属馬に互角にやりあえば、さらに楽しみが増えるというもの。南関東ファンとしては、大いに胸が高まる一戦である。

 そこで、本命はジェネラルグラント。ここまでのレースぶりはアウトジェネラルと比較するとやや劣っていたのだが、前走の大一番・東京ダービーでは脆さを見せたあちらと異なり一気に評価を上昇させた。最内の伸びないところに無理矢理突っ込むかなり無理のある競馬を余儀なくされ、中間の流れからして最後は外差しが絶対有利の展開となったにもかかわらず、しっかり抜けだし2着に残ったのだから想像以上にこの馬は強い。この中間は石崎父が調教をつけ、追い切りは本番通り駿を背にして素晴らしい動き。親子・師弟一丸となっての臨戦態勢には好感が持てる。オッズ的にも人気が割れそうなこのレースでは、まずこちらを狙うべきだろう。好位置からのロングスパートで、最後の一冠奪取を期待したい。そして4強と言われるほかの南関勢だが、ソルテハイセイコー記念の勝ち馬だ……ではなく湿りきらない今の馬場では逆転までは考えにくく大外回った東京ダービーで使った脚の長さは出走馬中一番。不良場場ながら浦和・ニューイヤーカップで叩き出したラスト1F12.1は出色の数字であり、この人気なら3着までで狙う価値はあるか。一方でインサイドザパークは前走はあまりに展開が嵌りすぎた。アウトジェネラルは前走出負けを含めても負け過ぎており、距離の不安は否めない。御神本騎手もあれ以来ツキが下降気味の様子で、ここも落馬から無理矢理間に合わせはしたが完璧な騎乗は臨みがたいだろう。

12.4 - 11.0 - 12.7 - 12.8 - 12.7 - 12.5 - 12.4 - 12.4 - 12.7
 中央組からは、昇竜ステークス組を中心に据える。今年も時計的には1000万下戦と較べても遜色なく、実際2着のエーシンゴールドは準OPからの降級馬が揃った古馬1000万下戦で勝ってここに臨んでいる。それをコーナーで1頭分外を回りながら差し切ったのがクリソライトで、休養明けての2戦は馬体増も含めて、ソラを使う未熟なところもあった2歳時とは比べものにならない見違えるようなレースぶり。また、ウチパクを鞍上に迎えたここではさらなる上昇が期待できる。一方ユニコーンステークスは馬場からしてまったく止まらない中央らしい速い流れで、正直言ってここで参考となるレースではない。勝ったベストウォーリア兵庫CSコパノリッキーに千切られているが、この馬が勝った伏竜ステークスの相手は1000万下でここまで善戦止まり。格的にはやや分が悪く、戸崎で無駄に人気しそうなここでは蹴ってこその人気の一角だろう。チャーリーブレイヴは展開からいって出遅れた前走は度外視してよいだろうが、そもそもヒヤシンスSのレベルが疑問。来たら仕方ないと諦める。

12.7 - 11.8 - 12.8 - 12.9 - 12.5 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 13.5

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<まとめ>
◎4番ジェネラルグラント
○5番クリソライト
△6番ソルテ
10番エーシンゴールド